全国の高校生が自作した鉄道ジオラマのできばえを競う「第10回全国高校鉄道模型コンテスト2018」(一般社団法人鉄道模型コンテスト主催)が、8月4日・5日に東京ビッグサイトで開催された。137校がエントリーした「モジュールレイアウト部門」では、関東学院六浦中学高校(神奈川)鉄道研究部が7年ぶり3度目の最優秀賞(文部科学大臣賞)に輝いた。(文・写真 中田宗孝)

モジュール部門で最優秀賞を受賞した関東学院六浦中学高校。部長の林田友佑君は下段中央

「鉄道模型コンテスト」は、模型の規格などにより「モジュールレイアウト」「一畳レイアウト」「HOゲージ車輌」の3部門に分かれる。もっとも参加校の多い「モジュールレイアウト部門」は、各校がNゲージサイズ(実際の電車の1/150の大きさ)の鉄道ジオラマを制作する。

伏見稲荷の駅舎を再現 京都の賑わいを繊細に表した

最優秀賞の関東学院六浦中学高校(神奈川)鉄道研究部の作品「和の街~京の風物詩~」は、鉄道が走行する夏の京都を直線モジュールの中に表現した。駅舎は京阪本線の伏見稲荷駅を再現している。寺で行われる祭りの賑わいや、鴨川の川床で食事を楽しむ人々の様子といった京都の魅力をジオラマ内に凝縮させたのがこだわりだ。「建物と建物の間隔を狭くしたり、細い路地裏にひしめく群衆を配置したりと、京都らしい風景を細かく作り込みました」(部長の林田友佑君・2年)。建物内や街灯を豆電球でライトアップさせることで、古都の幻想的な雰囲気を醸す演出も光った。

鴨川沿いの川床で宴を楽しむ人々をミニチュアで繊細に作った

 

3度目の優勝 11月にドイツで発表

部内の模型班10人で、約4カ月かけて作品を完成させた。「制作終盤になると、メンバーの士気も高まり、集中して制作に没頭していた。静かに、黙々と作業するメンバーの姿が思い出深い」と、林田君は振り返る。第1回(2009年)、第2回(10年)大会以来となる、7年ぶり3度目の最優秀賞を受賞。「10回目の節目の大会で再び最高の賞に返り咲けて嬉しい」

最優秀賞受賞校は、11月にドイツで行われる鉄道ジオラマの大会「第13回ヨーロピアンNスケールコンベンション」(バーデン=ヴュルテンベルク州シュツットガルトで開催)に招待され、受賞作も出品される。林田君は「日本を代表する京都の風景を世界にアピールしたい」と、意気込んでいる。

風情ある京都の街並みを表現した

 

第10回全国高校鉄道模型コンテスト2018・上位入賞校

【モジュールレイアウト部門】
▽最優秀賞(文部科学大臣賞) 神奈川・関東学院六浦中学高校
▽優秀賞 広島・国立呉工業高等専門学校
▽優秀賞 東京・共立女子中学高校
▽加藤祐治賞 東京・立教池袋中学高校

【一畳レイアウト部門】
▽最優秀賞 東京・大崎高校
▽優秀賞 東京・白梅学園清修中高一貫部
▽加藤祐治賞 東京・東京電機大学中学高校

【HOゲージ車輌部門】
▽最優秀賞 大阪・今宮工科高校
▽優秀賞 東京・早稲田高校
▽加藤祐治賞 神奈川・桐蔭学園高校

【学生が選ぶベストワン賞】
▽東京・青稜中学高校

【来場者が選ぶベストワン賞】
▽東京・共立女子中学高校