ボンジョルノ!  昨年8月からイタリアにあるインターナショナルスクールで2年間の留学生活を送っています。世界中から学生が集まる、ユニークな環境での暮らしを皆さんと共有していきます。(高校生記者・一丸暖歌3年)

「Peace One Day」という大きいショーにて友人と。右からヨルダン人、私、イタリア人、シリア人

80カ国の生徒と共同生活

最初に言わなければいけないのは、私が通っている学校「United World College(UWC)」が本当に変わっている、ということ。世界80カ国以上から200人が集まり、小さな村「ドゥイノ」で共同体を形成しています。
 UWCは世界17カ国に存在しており、特別な場合を除いて、各国の選抜を受け派遣されます。所在地はアメリカ、イギリスなどの「有名どころ」からアルメニアやコスタリカまで。それぞれ違った環境で経験を積むことになります。
 学業生活から普段の過ごし方まで、日本の高校とは全く異なるので最初はみんな驚きと戸惑いの連続! 授業はIB(国際バカロレア)というカリキュラムにのっとって進められます。寮生活で、カレッジは通常郊外にあるため、生徒間だけでなく先生との人間関係も深まります。奨学金が豊富で、国籍や言語はもちろん、経済状況から価値観まで全てバラバラな生徒たちと密な時間を過ごせるのが一番の醍醐味(だいごみ)です。

堂々と意見する姿に憧れて

私がUWCを志望したのは何と言ってもその環境に一目ぼれしたから。中学3年生の時、香港でUWC生の運営するサマーキャンプに参加し、その堂々とした姿に圧倒されました。日中問題の報道によってメディアが若者に与える影響など、普段深く考えないようなトピックに鋭く切り込み意見を述べる3歳上の生徒を見て「こんな風に成長したい!」と思わずにはいられませんでした。しかも、国際関係に興味があったので、世界中の同年代と語り合える場は魅力的でしかない。ビデオなどを見て、生徒のキラキラした様子にずっと憧れていました。

モロッコやノルウェーの友人と意見交換

実際に生活してみると、一人ひとりの文化的な背景が多様なゆえに、何か企画について意見を出し合ってもなかなかまとまらないなど、いろんなことが起こります。しかし、その分1日の密度はどこよりも濃い自信があります! モロッコとノルウェーの友人と女性として生きることについて意見を交わしたり、イエメンの子が交友関係をどう見ているのか面白い発見ができたりと「来られて良かった!」と思った場面は数え切れません。
 ここにしかない環境で1年過ごしてみて、「国籍などの違いはあっても、結局はその人の性格が重要なのであって、みんな同じようにティーンエイジャーなんだな」と強く感じました。
 UWC全体についての話が主になってしまったので、次回はイタリア校の特色についてもっと絞ってお届けします。それでは、チャオ!

会議で友人と。左からスペイン人、デンマーク人、私、オランダ人