国立大学協会は1月26日、2020年度以降に実施する入学試験をめぐる国立大学の共通ガイドラインを今年4月初旬までに公表する見通しを明らかにした。大学入試センターが認定する英語の民間試験の取り扱いなどが盛り込まれる。
英語4技能の扱いが課題
文部科学省は、20年度に実施する大学入試(21年4月入学者対象)からは、現行の大学入試センター試験をとりやめ、思考力や判断力の測定をより重視した「大学入学共通テスト」を導入する。さらに、英語の「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能の力を測るために、英検やTOEFLなど複数の民間の資格・検定試験を大学入試センターが認定し、受験生の成績をセンターがとりまとめて大学入試に利用する枠組みを新たにつくる。共通テストでの英語の出題も20~23年度は続けるが、その後打ち切る考えだ。
国立大学協会は昨年11月の総会で、国立大学協会は21年度入試(20年度に実施)から大学入学共通テストのマーク式の英語試験と、入試センターによる認定を受けた英語民間試験の両方を受験生に課す方針を申し合わせている。ただ、民間試験として認定される試験はまだ決まっておらず、3月末までに大学入試センターが公表する予定だ。また受験生によって異なる認定試験を受けることが考えられ、集約した成績を各大学がどう評価し、入試の判定にどのように活用するかが課題となっている。
4月初旬までに共通ガイドライン
国立大学協会の副会長と入試委員長を務める岡正朗・山口大学長がこの日の総会後に取材に応じ、英語の扱いなどについて委員会で検討をするとともに高校の団体などと意見交換をしていることを明かし、「3月末から4月上旬」には国立大学の共通ガイドラインを公表する考えを示した。これをふまえ、各大学は18年度中に20年度に実施する入試の方向性を公表する。
新大学入試は、18年4月に高校に入学する人からが主対象となる。国立大学協会は20年度以降の入試について、一般選抜(現在の一般入試)で現行の分離分割方式を継続する方針。一般選抜の全受験生に国語と数学の記述式問題を含む新共通テストの5教科7科目を課すことや、各大学の個別試験で複数の素材をふまえて表現する力などを測る「高度な記述式試験」を出題する方針も決めている。