寮で同学年の友達と食事に行った時(竹尾さん提供、右から3人目)

竹尾彰恵さん( 茨城・茗溪学園高校2年)

「自分とは全く違う背景や意見を持った人たちと関わりたい」と思い、イギリス・ウェールズにあるボーディングスクール(寄宿制学校)に2016年9月から1年間留学しました。英語力の向上と、違う文化を肌で体験して視野を広げることが目的でした。

履修は4教科限定

日本の高校2年生相当の学年で学んだのですが、その学年では多くても4教科しか履修せず、1つの教科を深く学ぶカリキュラムになっていました。その中で私は数学、美術、ドラマ、地理を選択しました。授業は少人数制で、先生や生徒間での活発な議論を中心に進みました。

宿題でエッセーを課されることがよくあり、自発的に調べ、考える時間が増えました。例えば、地理では「場所」がテーマで、米国デトロイトを例に「闘争や摩擦はいつもその場所の外側が原因で起こる」ことに賛成かどうかを書きました。情報をうのみにせず、自分の頭で考える大切さと面白さを知ることができました。

マウンテンバイクで友達に

学校は豊かな自然に囲まれていて、日本の高校ではなかなかできない活動ができます。私はセーリング、乗馬、マウンテンバイク、山登りなどを中心に挑戦しました。それらのアクティビティーを通じて友達ができました。マウンテンバイクでつらそうな私を見て「一緒に走ろう」と声を掛けてくれて、それから食事や授業で会うと自然としゃべるようになり、英語を話す機会が増えました。

地理のフィールドワークで行ったフランスのシャモニーで友人と撮影(写真左、本人提供)

政治や宗教 大人と話し合い

学期と学期の間は、1カ月ほどの長期休暇があり、私は母の友人の家にホームステイしました。彼女にはヨーロッパ出身の友人が数多くいて、さまざまな文化を学ぶことができました。

政治や宗教の話など、日本では敬遠されがちな話題を真剣に、そして真摯(しんし)に話し合える場がそこにはあり、異なる背景を持った人たちが自分の意見をはっきりと話す様子には、とても感銘を受けました。例えば、母親と子どもの関係の問題で「共働きが子どもにとって良いのか」「母親に優しい社会とは何なのか」などを話しました。同年代だけではなく、社会に出た大人たちと会話ができたのは、私にとってとても貴重な経験でした。

留学を通して、自分が今までどれだけ主体性がなく、偏った知識を持っていたかを感じました。この1年間で、狭い知識にとらわれず、多種多様な人々と触れ合い、見識を広げることができました。