2017年、夏。私は高校生活、いや、人生の中のハイライトとなるプログラムに参加した。AIU高校生国際交流プログラム*だ。3週間アメリカで生活したかけがえのない日々をリポートする。(大浦晏奈・東京学芸大学附属国際中等教育学校5年)

最終日、寝る前(プリンストン大学にて)

このプログラムは日本全国から選抜された40人の高校生が7月中旬にアメリカへ飛び立つ。活動はニューヨークなどを訪問する「ツアー」、「ホームステイ」そしてアメリカ人とペアになって活動するメインイベントの「エクスチェンジ」の3つ。帰国後はオリエンテーションキャンプがあり、約3週間のプログラムが終了する。往復渡航費、食費、滞在費などが支援されるので無償で参加できる。

夢見ていたアメリカンライフ

私は今までアメリカに行ったことがなく、長らくアメリカに行くことを夢見ていた。それもただの旅行や語学留学ではなく、「アメリカンライフ」を体験し、アメリカについての学習もしたかった。選考通過を知らせるメールが届いたとき、私は友達とコーヒーショップにいた。思わず、叫んでしまい、周りの人に一瞬見られた。そのくらい嬉しかった。そして、今思うとその時の期待を裏切らず、大きく超える密度の濃い3週間を過ごしたと感じた。

ワシントンの図書館にワクワク

紹介したいことはたくさんあるが、その中から最も印象的だったことをピックアップしたい。まずはツアーについてだ。ツアーではニューヨークとワシントンを回った。ワシントンでは様々な記念館や国会議事堂、リンカーンメモリアル、ホワイトハウス、ペンタゴン、ケネディーセンターなどアメリカの国家政治の中心地でもあるワシントンでアメリカについてより理解を深めることができた。

ワシントンツアーの中で私が一番印象に残ったのが議会図書館(library of congress)を訪れた時だった。私は本が大好きで、特に洋書を読むのが大好きだ。ツアーガイドに膨大な蔵書があると聞き、想像しただけでワクワクした。そして、「日本人の私でも利用者カードを作成することはできますか」と聞いたところ、国籍は関係なくカードを作成できることを知った。ぜひ何年後かに私はアメリカに戻ってきて、議会図書館の利用者カードを作成してじっくりと本を読んで見たいと思った。

スピリットデー、班での記念写真(プリンストン大学にて)

ホストファミリーと南アメリカ料理を体験

ホームステイも初めて体験した。そして、人生で一番楽しい思い出となった。ホームステイを通して本場のアメリカ人の生活を体験することができた。モールへショッピングに出かけたり、ミュージカルを鑑賞したり、ホストファミリーと共にタイ料理や南アメリカ料理を食べたりしたことがとても印象に残っており、今思い出すと戻りたくなってしまう。本当に「第二の家族」と呼べるほど親密な関係を築くことができたのだった。

毎日イベントが盛りだくさん 茶道をプレゼン

そして、プログラムのメインイベントとなるエクスチェンジでは一生思い出に残る貴重な経験ができた。日本人とアメリカ人でバディになり、毎日を過ごした。毎日「〇〇の日」と決まっており、それに応じて服装が決まっていたり、イベントがあったりした。例えば、ハロウィン、アメリカンデー、スピリットデー、ヒッピーデー、オリンピックデーなど、毎日盛りだくさんの日々が続いた。その中で私が一番楽しかったのがジャパニーズデーとデートナイト/フリータイムの日だった。

プレゼンの様子

まずジャパニーズデーはその名の通り、日本の文化についてアメリカ人高校生に伝えるため、書道、茶道、和食、和服などのグループに分かれた。アメリカ人高校生に日本についての知識や興味をより深めてもらうために、プレゼンテーションやブース体験を行なった。私は茶道をしたことがなかったのにも関わらず、茶道班だったため、自分自身も自国の文化について学びながら準備を進めていった。

また、デートナイトは特に日米の女子が盛り上がる日だった。男の子が女の子の部屋のドアをノックして、初めてそこで自分のパートナーが誰かわかるドキドキワクワク感が雰囲気を盛り上げていた。

デートナイトの様子

家族のような存在ができた

他にも盛りだくさんのイベントが続き、最終日のお別れは皆泣いていた。私自身、人の前で泣いたことがなかったのに、涙を抑えきれず泣いてしまった。今でもその時のことを思い出すと「戻りたいな」と思う。

このプログラムは私の高校生活の中で一つの大きな思い出となった。これを読んでくれている高校生に本当に参加してみて欲しいと伝えたい。「自分が変わった」と感じている参加者はとても多い。私はより「挑戦」することができるようになった。これはアメリカ人高校生の、挑戦して自ら活動していく姿を見てインスパイアされたからだ。

もう一つ、得たものがある。それは「一生の仲間」だ。日本人高校生とは3週間の中で色々なことを一緒に乗り越えてきた。アメリカ人高校生、特に私のホストファミリーとルームメイトとは今でも連絡を取り合っていて、「血の繋がっていない家族」という存在だ。これからも高校生外交官として学んだことを心に留め、様々なことに挑戦していきたいと思う。

独立記念日の祭典

*2018年1月から「AIG高校生外交官 渡米プログラム」に名称変更 

【AIG高校生外交官 渡米プログラム 参加者募集】
期間:2018年7月17日~8月8日
参加者:高校2~3年生(2018年7月時点)
募集人数:男女各20人、計40人
応募方法:参加申込書を学校が取りまとめ、封筒には「応募書類 ○部在中」と送付する部数を明記の上、AIG高校生外交官プログラム事務局宛てに郵送
選考方法:1次選考・参加申込書をもとに書類選考。結果は2018年3月初旬に学校あてに郵送にて通知。2次選考・3月に面接など
応募締め切り:1月31日(水)必着
詳細:http://www.highschooldiplomats.org/contents/bos-ushsd.html