運動不足の高校生のための筋力トレーニング講座「体幹」

体育の授業以外で運動する習慣がない。勉強ばかりで運動不足を感じている。そんな高校生に簡単に筋力を付けられるトレーニングを紹介します。

 東海大学スポーツ医科学研究所教授 有賀誠司先生
 
1962年、東京都生まれ。東海大学スポーツ医科学研究所教授。筋力トレーニングに関する研究を行うとともに、多くのアスリートのトレーニング指導に携わる。著書に「基礎から学ぶ!筋力トレーニング」(ベースボールマガジン社)など多数。
 

疲れにくい体になる

第5回は、体幹の筋トレを紹介します。胴体部分を指す体幹を鍛えることで、姿勢やボディーラインが良くなるほか、内臓の位置が正常化されるとともにその働きの改善も期待
できます。また、長時間歩いても疲れにくくなるといった動きの効率アップにもつながりやすくなります。

ただ、運動が苦手な人にとって、筋トレはどうしても三日坊主になりがちですが、そこで落ち込む必要はありません。再開すればまた筋肉はつきますから、諦めないことが大切
です。筋トレは、いつリスタートしてもいいのです。

もし休んでしまっても「いい休養がとれた。次はいいトレーニングができるぞ」と、プラスに解釈するといいでしょう。 (構成・小野哲史)

腹筋運動(シットアップ)

開始姿勢

 
 
 

床にあおむけになり、膝を直角に曲げて足を固定する。腕をクロスさせて、両手を肩につける。

中間姿勢

 

息を大きく吐きながら、腹直筋を縮めて背中全体を丸める。腰は床に着けたままにしておくことがポイント。みぞおちをへそに近づけ、腰を縦にストレッチする感覚で行う。

 

終了姿勢

 

股関節を曲げて、骨盤と上半身全体を起こしていく。この後、腰の下部から上部へと少しずつ床に着けながら、開始姿勢に戻る。上体を上げて下ろす動作をそれぞれ3秒間で行う。

NGはコレ!

 

腰を丸めず、真っすぐの状態のまま体を起こしている。これでは腰を痛める原因になる。

 
 
 

後頭部に組んだ手を強く引っ張る。首に過剰な負担がかかってしまう。

負荷を減らす

 
 

できない人やつらい人は、手をおなかに置くと、負荷を軽くできる。太ももに添えるこ
とで、さらに負荷を軽くすることができる。

バックアーチ

 
 
 
 

床にうつぶせになり、両手を前方に伸ばして広げた開始姿勢をとる。息を吸いながら床から胸を起こし、背中全体を徐々に弓なりにしていく。その後、ゆっくりと息を吐きながら開始姿勢に戻る。背骨に沿って縦に分布する脊柱起立筋を刺激できる。

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