世界の高校生が地学の問題に挑む「第11回国際地学オリンピック」(IESO)が8月22日から29日までフランスで開かれ、日本代表の高校生4人は、金メダル2個、銀メダル2個を獲得した。文部科学省と地学オリンピック日本委員会が発表した。
世界29カ国・108人が参加
大会には、世界29カ国・地域の108人が参加し、筆記と実技の試験に挑んだ。参加者の上位約10%に金メダル(今回は11個)が、続く約20%に銀メダルが、続く約30%に銅メダルが与えられる。
日本代表4人は、1924人が応募した国内大会で選抜された。金メダルを獲得したのは、押見祥太君(東京都立小石川中等教育学校6年)と土屋俊介君(神奈川・聖光学院高校3年)。銀メダルが、越田勇気君(東京・海城高校3年)と中桐悠一郎君(北海道・立命館慶祥高校3年)。日本代表は2008年の派遣開始以来、10年連続全員がメダルをとっている。金メダル獲得は8年連続。今年の日本代表の金2個、銀2個は、中国(金3個、銀1個)に続き、台湾と並ぶ好成績だった。
地球史のスケール身に付けられる
押見君は学校では天文研究会に所属。地学の魅力は「地球史のスケールを身に付けることができるところ」という。土屋君は学校の地学天文学部の活動がきっかけで大会に参加した。「地学といっても物理、化学、生物とつながるところが多々あり、多面的な知識が得られる」と魅力を語る。
越田君も学校では地学部員。「昨年、学校の先輩が日本代表になったので、それに続こうと頑張りました」と代表になるまでを振り返る。昨年の物理オリンピック国内大会で上位に入り、物理の日本代表候補にもなった。中桐君は学校の自然科学部に所属。「考えることが好き」といい、昨年の国際生物学オリンピックでも銀メダルを獲得したほか、数学オリンピック国内大会にも参加してきた。「科学オリンピックは、その教科について深く学習できるだけでなく、本選では全国の同世代の科学好きの仲間と交流でき、楽しい」と後輩への参加を呼び掛ける。
来年の第12回大会はタイで開かれる。代表選考を兼ねる第10回日本地学オリンピックの募集は、9月1日から11月15日まで。予選は12月17日に開催される。