全国の高校生が自作した鉄道ジオラマのできばえを競う「第9回全国高校鉄道模型コンテスト2017」(一般社団法人鉄道模型コンテスト主催)が8月5日・6日に東京ビッグサイトで開催された。141校がエントリーした「モジュールレイアウト部門」で、埼玉・慶應義塾志木高校鉄道研究会が2回目の大会参加で優秀賞を受賞した。(文・写真 中田宗孝)

鉄道研究会主将の永井君(手前右)と、次作の中心メンバーとなる後輩部員たち

立体交差を再現「電車がかっこよく走る景色を」

 

埼玉・慶應義塾志木高校鉄道研究会の作品「西武 秋津✕JR 新秋津」は、通学路として利用する生徒も多い2つの駅周辺を題材に選んだ。

JR武蔵野線新秋津駅付近を走る電車の頭上を西武池袋線の電車が走行する立体交差を再現したジオラマは、鉄道ファンの心をつかむ風景だ。主将の永井幸輝君(3年)は「僕たちの作品は電車が主役。電車が一番かっこよく走る景色を作ろうと取り組んできました」と話した。

 

現地に6回も訪問 塗装技術で汚れを表した

作品のクオリティを高めるため、9人の部員全員が題材となる現地に足を運んで取材を重ねた。永井君は作品完成までに6回も現地を訪れたという。「ジオラマ内に再現しようと考えていた建物の中には『風化』が目立つモノがありました。そこで、自作した建物に『ウェザリング』という塗装技術で独特の汚れを作り出したんです」(永井君)。約4カ月かけて作品が出来あがった。

電車が映えるジオラマ作りを目指して見事、優秀賞に選ばれた