快挙に驚きを隠しきれない韓国全南芸術高の生徒

第26回全国高校漫画選手権大会(まんが甲子園)が8月5・6日、高知市で開催され、全国307校の応募の中から、予選審査を勝ち上がった33校が集結。海外校も今年から審査対象となり、韓国・台湾・シンガポールの高校が参加した。決勝戦では20校が「1 2 3」をテーマに5時間半かけて漫画を描き上げ、韓国の全南芸術高校が日本勢を抑えて頂点に立った。2位には北海道芸術高校福岡サテライトキャンパスが選ばれた。(文・写真 藤川満)

頂点に立った韓国の全南芸術高 「わかりやすさ」評価

最優秀賞の発表と同時に会場にどよめきが起こった。これまで審査対象外のオープン参加の海外校が、今年から日本の高校と同様に審査の対象となり、その結果、韓国の全南芸術高校が選ばれたからだ。

「一瞬、何の賞に選ばれたのか分からなかった」というナン・スビンさん(2年)をはじめとする同校の生徒ら。決勝のテーマは「1 2 3」。同校の作品は美容室を舞台に三つ子の髪型を「1 2 3」の髪型にして見分けが付くようにするという内容。審査員長の漫画家・牧野圭一さんは「しっかり書き込んでいるのに分かりやすい。ほぼ満票で決まった」と審査の経緯を語った。

美容室を舞台に三つ子の髪型を「1 2 3」にカットしたネタの韓国・全南芸術高校の作品

2位の北海道芸術高福岡「漫画と小説で発想力鍛えた」

2位に入り、日本勢でトップとなったのは、北海道芸術高校福岡サテライトキャンパスの5人のチーム。犬が「ワン!」、ネズミが「チュ〜(ツー)」、そして、なぜか木が「ツリー!(スリー!)」と鳴くオチで構成された作品が選ばれた。

「犬のおマヌケな表情に注力した」という北海道芸術高校福岡サテライトキャンパスの生徒の作品

同校の生徒5人はマンガ・イラストコースに所属する有志。今回を含め4回応募し、3回本戦出場の実力を誇る。「(九州北部豪雨の)被災者の人にいい結果を知らせることができた」とリーダーの戸島優一さん(3年)。「大会期間中は特にトラブルもなく楽しんで創作できた」というのは松尾優里さん(3年)。制作中も、普段から授業でマンガを描いているだけに、気負いもなくリラックスした様子がうかがえた。「漫画はもちろん多くの小説などを読むことから発想力を鍛えている」と戸島さん。

2位に入り、「豪雨の被災地へ朗報を届けることができた」と喜んだ北海道芸術高校福岡サテライトキャンパスの生徒

3位は栃木女子高校が入った。

3位に入った栃木女子高校の生徒の作品