初の優勝が決まり、喜び合う岐阜女のメンバー

全国高校総合体育大会(インターハイ)バスケットボール競技は8月2日、あづま総合体育館(福島)で男女決勝戦が行われた。女子は、岐阜女(岐阜)が大会6連覇を目指した桜花学園(愛知)を61-55で下し、初優勝を飾った。(文・写真 青木美帆)

練習の積み重ね、自信に

リベンジマッチだった。昨年冬の全国高校バスケットボール選抜優勝大会(ウインターカップ)の決勝、岐阜女は桜花学園に65-67で敗れた。石坂ひなた主将(3年)は主力としてこの敗戦を経験。「先輩にはすごく悔しい思いをさせました。絶対自分対の代で、インターハイで優勝して恩返しするって決めて練習をしてきたので、終わった瞬間は本当にうれしかったです」。試合終了のブザーが鳴った瞬間、思わず涙があふれた。

40得点28リバウンドと大活躍を見せたバイ・クンバ・ディヤサン

序盤から、190センチのバイ・クンバ・ディヤサン(3年)がインサイドで攻守にわたって桜花学園を圧倒。守っては池田沙紀(2年)や木下七美(2年)が桜花学園のキーマンに思うようにプレーさせなかった。43回の全国優勝経験を誇る桜花学園も徐々に追い上げをはかり、第4クオーター序盤に同点にまで持ち込んだが、「自分たちのプレーをやっていれば大丈夫だと思っていたので、あせらなかったです」と石坂。「練習でそれだけ積み重ねてきました。簡単なことでは崩れないような練習をしてきたことが自信になっています」と満足げな表情を見せた。

「絶対優勝」強い気持ちをみんなで共有

3月、昨年からスタメンを務めていたパワーフォワードの小野佑紀(3年)がヒザに大けがを負った。主力の離脱にチームは動揺したが、「(小野は)チームで一番、日本一になりたいという気持ちでプレーしていた選手。その強い気持ちをみんなで共有して『絶対に優勝しよう』と思って練習してきた」(石坂)と結束力を高めた。小野と同ポジションの江田晴香(2年)や、阪納百(2年)も穴を埋める活躍をした。小野と家族ぐるみの付き合いをしているというディヤサンは「小野さんが喜んでくれるなら、疲れなんて忘れて頑張れる」と最後まで全力で戦いきった。

勝負強くシュートを決めた石坂ひなた主将

「小野が抜けたことで、彼女のポジションはウイークポイントになった。でも2人(江田と阪納)がいろいろ工夫し、ほかの選手もよく穴埋めをしてくれたと思う」と安江満夫コーチ。チームメートのけがを全員で乗り越えて手にした、初めての夏の冠だった。

メダルを手に笑顔の岐阜女