答えてくれるのは… 大学問題アナリスト 野澤和範

悩み

大学の入試方法がたくさんあり、違いがよく分かりません。推薦入試やAO入試の中にも種類があり、自分はどの入試に向けて頑張ればよいのか、迷います。(高校2年女子)

回答

学力型と非学力型に二分

伝統的な日本の入試制度は、教科学力検査による選抜試験でした。文部省(今の文部科学省)が推薦入学を認めたのは1966年からです。この後、大学入試制度は、「学力型の選抜試験」と「非学力型の推薦系選考」に二分され、今日に至っています。

「学力型入試」の代表は大学入試センター試験で、国公立大学は一般的に5教科を指定し、多くの私大では、3教科が主流です。また、全ての国公立大とほとんどの私大では、大学独自の問題による学力試験(一般入試)を実施します。私大文系学部では、国・社・英の3教科入試、理系学部では、数・理・英の3教科入試が主流です。学力型入試は原則として2月1日以降に実施されます。

一方、「非学力型入試」には、「指定校推薦入学」「公募推薦」「AO入試」「自己推薦入試」「スポーツ推薦」などがあります。いずれの制度も秋期に実施され、合格が早いので志願者の人気を呼び、私立大学入学者の50%以上を占めます。指定校推薦は、大学から指定された高校で評定平均値の基準を満たしていれば志願でき、不合格は原則的にありません。公募推薦は各大学で設定した評定平均値以上の者は誰でも応募でき、面接、小論文などが課され不合格も出ます。AO入試や自己推薦入試は、大学により出願条件が異なります。自己推薦書や実績記録など膨大な資料の準備に時間がかかりますが、不合格の場合、すぐ一般入試に切り替えて受験勉強を再開しなければなりません。従って実績に自信がある人が出願してください。

のざわ・かずのり 1943年、東京生まれ。武蔵工業大学(現・東京都市大学)で入試広報を担当し、事務長として新学部開設に携わる。2009年退職後は、大学選びについて高校生・保護者への講演・執筆などを行っている。