競技歴数カ月で全国へ
八種競技と三段跳びで今年度の高校ランキング1位の記録を持つ泉谷駿介(神奈川・武相3年)。6月の南関東大会では、ともに優勝に届かず悔しさを味わった。「インターハイでは絶対に2冠を達成したい」と、初の全国制覇に向けて闘志を燃やしている。
陸上を始めたのは中学時代。短距離では市総体にも出られず、3年生から出場枠が余っていた四種競技に転向。それでも県大会にはとうてい届かないレベルだった。高校1年時に四種の中でも得意だった走り高跳びで1㍍94の自己ベストを出すと、その年の秋に練習メニューの一つとして始めた三段跳びで潜在能力の高さを示す。冬に行われた混成競技大会で、砲丸やハードル走の記録も伸びたことから「八種競技にも挑戦してみよう」と決意し、2年時から八種競技と三段跳びに本格参戦。競技を始めて数カ月の八種競技で県大会と南関東大会を勝ち抜き、インターハイ出場を決めた。
技術研究も怠らず
日々の練習は、投てきの動作確認や走るメニューが基本。「跳躍は2、3日に1回、専門的に練習する日に集中して取り組みます」と話すが、日頃から自らの動きをスマートフォンに録画し、見返すこともあるという。「動画を何十回も見ていると、悪い部分がよく分かる。その都度、そこを直すことで記録が伸びてきたと思います」
今季の県大会で、泉谷は八種競技で高校歴代7位の5815点をマークし、三段跳びでは15㍍69(追い風0.4㍍)で県高校記録を42年ぶりに更新するなど、快進撃を続けた。南関東大会で久しぶりに喫した敗北をステップアップの糧とし、インターハイでは〝2冠達成〟とともに「完璧な試合をしたい」と目標を語る。八種競技では史上5人目となる6000点超え、三段跳びでは史上3人目となる16㍍超えを目指す。 (文・写真 小野哲史)
プロフィル
いずみや・しゅんすけ
2000年1月21日生まれ、神奈川県出身。横浜・緑が丘中卒。2016年のインターハイ八種競技14位、同年の日本ユース選手権は走り高跳び、走り幅跳びともに4位入賞。今年5月の県大会は2種目で大会新をマークし、最優秀選手に選ばれた。174㌢、65㌔。