愛知高等学校グリークラブ(女声合唱)が2年連続の快挙を目指している。昨年、創部9年目にして「第27回宝塚国際室内合唱コンクール」で、国内の高校として史上初のグランプリを獲得し、「近・現代」部門で金賞、全部門総合1位という快挙の再現に挑む。(中田有博)
2005年に共学化されるまでは男子校だった。同校グリークラブでは別々に活動している男声合唱も優秀な成績を収めているが、女声合唱の活躍ぶりが際立っている。「第5回声楽アンサンブルコンテスト全国大会」の総合第3位をはじめ、「愛知県アンサンブルコンテスト」は4年連続で最優秀賞を受賞、「全日本合唱コンクール中部大会」では6年連続金賞を獲得している。
日曜を除く毎日の練習は午後6時まで。土曜も昼食を終えた午後1時から5時間、みっちり行う。筋トレ、ストレッチに始まり、発声体操、ソルフェージュ、発声練習、曲の練習と続き、独唱にも挑戦する。
顧問の吉田稔教諭は、「目指すのは、魂のアンサンブル。仲間と共に心と音を調和させ、より高い次元の芸術的感動に全身全霊をかける団体戦」という。
団体戦への思いが強いからこそ、練習場には常に指導者と生徒の間で厳しい言葉が飛び交う。五感を奮い立たせた指導者の厳しい指摘を受けとめた生徒たちが敏感に反応する。
「私たちは、ただ楽しんで自己満足するだけのクラブではなく、真の達成感を味わいたい。だから、全員、運動部顔負けの厳しい練習にも耐えられる。“辛”の先にこそ“幸”があると信じているのです」とまで言い切る。
『結果がすべて!』というモットー通り、国際コンクールを含め、あらゆるコンクールでの上位入賞が目標だ。「思いやりの精神による真のアンサンブルが実現してこそ、結果がついてくる。音楽の深みを追究したいというのが真意です」と吉田教諭の言葉にも熱がこもる。
現在は、7月の宝塚国際コンクールに向けて、“辛”の先にある“幸”を夢見て調整を重ねている。