作新学院を支える投手の半田莉子(左)と田所育恵

作新学院(栃木)女子硬式野球部は、2013年創部と歴史の浅い部だが、今春の全国高校選抜大会でベスト4に進出するなど、目覚ましい活躍を見せている。男子硬式野球部は昨夏、54年ぶりに全国制覇を果たした。「男子に続け」と全国高校選手権(7月28日開幕、兵庫県)で優勝を目指す。(文・写真 手束仁)

練習場は、男子硬式野球部がかつて使っていた室内練習場だ。平日は夜7時すぎまで練習。校内を約2キロ走り、入念なウオーミングアップをしてからボールを使った練習を始める。1球で打者が交代する、実戦形式の「一本バッティング」を重視しているのが特徴だ。

捕球の感触たまらない

部員は野球経験のある選手ばかりだ。主将の鎌田麻椰(3年)は、中学校で野球部に所属し、女子だけの軟式野球チームでもプレー。その時の仲間が女子硬式野球部のある高校に進学すると聞き、「硬式野球で対戦してみたい」と、同校に進学した。ポジションは内野手。「地をはってくるゴロを捕球する感触がたまらない」と言う。

「小学1年生から兄の影響で自然に野球に親しんできた」と言うのは、田所育恵(3年)と半田莉子(2年)の右と左の投手陣。田所は「野球は一人ではできない」という思いから、普段の練習から周囲への声掛けを意識している。

半田は「春の大会ではバント処理のミスで負けたので、今はマウンド周辺のプレーに一番神経を注いでいる」と言う。2歳上の兄は、全国制覇した同校男子硬式野球部にいた。「男子に続いて、今度は私たちが日本一になる」と、夏の全国大会へ向けて意気込む。

【TEAM  DATA】
2013年創部。14年夏、17年春に全国大会ベスト4。部員35人(3年生5人、2年生14人、1年生12人、マネジャー4人)。男子硬式野球部のコーチも務めていたOBの田代恭規監督が創部時から指揮を執る。