言葉や文化の壁を超えて米国高校生と仲が深まる(第22回(2015年)の様子。AIU高校生国際交流プログラム事務局提供)

日本の高校生が京都で10日間、「高校生外交官」として米国の高校生と共同生活を送りながら討論や日本文化の紹介などをする「AIU米国高校生国際交流プログラム」の2016年度の募集が始まった。7月28日~8月9日に開催予定。対象は高校2・3年生(開催時)で、4月13日(水=書類必着)まで受け付け。参加費は無料だ。(野村麻里子)

■京都の史跡をガイド

プログラムは、AIU損害保険株式会社のCSR活動の一貫として1994年に始まり、今回で23回目となる。参加するのは米国高校生20人と日本人高校生20人で、日米一人ずつがペアを結成。ルームメイトとなり、関西セミナーハウス(京都)で10日にわたって共同生活を送る。米国高校生の多くは、日本語力は挨拶程度のメンバーがほとんど。参加者は英語を使う。

プログラムは多彩だ。京都史跡めぐりでは、貴族、武士、幕末などのテーマに合った史跡を日本の高校生がガイドする。

茶道や書道、舞踊といった日本文化の「クラブ活動」を設け、日本人が米国高校生の発表に向けて、サポートする。

米国側の参加者が米国文化を日本人高校生に紹介するアクティビティも実施。前回はハロウィーンを再現し、飾り付けや仮装を行った。楽しみながら米国文化を体験できる。

■社会問題をディスカッション

米国との架け橋となる日本の生徒代表「高校生外交官」として、世界規模の問題について意見交換する「アカデミックディスカッション&プレゼンテーション」も目玉だ。「災害と復興」といった社会問題などに加え、日本では18歳選挙権、米国では大統領選挙で関心が高い「選挙」についてテーマを設定。日米それぞれの立場から意見を交わす。

■得意分野生かして活躍を

プログラムへの参加をきっかけに外国文化や語学への関心が高まり、高校卒業後、国際系の学部に進学したり留学したりする参加者も多いという。

プログラムの担当者は「英語力はもちろんあった方が良いが、自分自身の得意分野があることが重要。過去の参加者は、得意なスポーツや日本文化の知識を教えたり、ディスカッションで意見を発表したりなどして活躍した」と話す。

応募は公式サイトから申し込み用紙をダウンロードの上、学校を通じて提出。4月13日必着。プログラム参加費用は無料。詳細は事務局ウェブサイトを参照のこと。