最優秀賞の平養護学校高等部生徒会・ボランティア部の三浦宰君

「社会活動コンテスト」
優秀校が1月に東京で発表

福島の高校生が、日本を元気にする」を合言葉に、県内で社会活動に取り組む生徒が成果を発表する「ふくしま高校生社会活動コンテスト」(ふくしま学びのネットワーク主催)が10月18日、福島市内で開催された。部活動や生徒会など7団体が参加し、最優秀賞に平養護学校高等部の生徒会・ボランティア部が選ばれた。優秀賞の2校と共に、1月に東京大学で活動内容を発表する。


 東日本大震災を経た福島では「自分たちの力で社会を良くしたい」と社会活動に取り組む高校生が増えているという。そんな生徒たちを応援するのがコンテストの目的だ。

 ボランティア「する側に」 

 平養護学校の生徒会・ボランティア部は、三浦宰君(1年)が発表した。2012年に当時の生徒が始めたボランティア部は、街頭での献血呼び掛けや、ネパール大地震の支援募金、古書を寄付するプロジェクトなどに取り組んできた。発足時、三浦君は中等部の生徒。「それまでボランティアはされる側だと思っていた。先輩の活動を知り、自分もやりたいと思った」と語る。

 途上国支援、次々に 

 優秀賞の平工業高校生徒会は、強口佳汰君(3年)らが、校内で回収したアルミ缶を換金して購入した車いすを特別養護老人ホームに寄贈したり、卒業時に不要になったジャージーなどを洗濯して西アフリカのマリに支援物資として送ったりした活動を発表した。エコキャップ活動で途上国に送ったワクチンは1000人分に達した。

 国内外生徒と放射線計測 

 優秀賞の県立福島高校スーパーサイエンス部放射線班は、11年から放射線量の計測活動に取り組む。昨年、県内6校を含む国内12校とヨーロッパの高校生、計216人に1時間ごとの積算線量を計れる機器を付けてもらい、結果を分析してきた。

 発表では、各地の線量比較に基づき「福島県内の高校生の線量は、(自然放射線による値である)他地域と同等といえる」と結論づけた。齊藤美緑さん(2年)は「計測したデータを地元の人に伝えると『安心して大丈夫なんだね』と言ってもらえた」と話す。

 3校は、1月23日に東京大の研究プロジェクトREASEが開く公開講座で発表する。