リオ五輪競泳代表に高校生4人
ブラジル・リオデジャネイロ五輪(8月)代表選考会を兼ねた競泳の日本選手権が4月に開かれ、4人の女子高校生が一発勝負のプレッシャーをはねのけて代表入りを決めた。4年に1度の世界最高峰の舞台に挑む高校生スイマー4人の素顔とは。(文・田坂友暁、写真・中村博之)
大舞台でも平常心
女子200メートルバタフライの五輪メダリストである星奈津美(ミズノ所属・春日部共栄高校卒)を脅かす存在が、ようやく台頭してきた。日本選手権の200メートルバタフライの準決勝で、星を上回る2分6秒85の1位で決勝に進んだ長谷川涼香だ。
決勝では星に敗れてしまったが、派遣標準記録を突破する2分6秒92で2位に入り、初の五輪代表の座を手に入れた。「本当にうれしいです。緊張感からようやく解放されました」とレース後には、はじけるような笑顔を見せた。
先に代表を決めていた池江は、4月から高校の後輩になった。「(池江)璃花子が代表に入ってすごくうれしいし、私も負けないようにしたい」と、後輩の存在が長谷川の刺激にもなっている。
忙しい中でも勉強
普段は勉強をおろそかにせず、どんなことでも真面目に取り組む。得意な教科は数学。「難しい長い式とかが解けたときがうれしいし、達成感があって好きなんです」。昼休みや練習前の少ない時間を利用し、忙しい中でも勉強の時間を捻出する。
日本選手権で出した記録は、五輪でもメダルに手が届くほどのレベル。「プレッシャーですけど」と前置きをしながら、「自分の力を出し切って悔いのないレースをしたいです」と、平常心を心掛けて大舞台に挑む。
- 【はせがわ・すずか】
- 2000年1月25日生まれ、東京都出身。田端中卒。東京ドーム所属。3歳から水泳を始める。14年全国中学校大会100メートル、200メートルバタフライ2冠、15年全国高校総体(インターハイ)100メートルバタフライ優勝。リオ五輪には200メートルバタフライに出場予定。166センチ、56キロ。