鎌ヶ谷高校料理研究部が学校の近くの駅前でカフェを始めた。メニューの開発や調理、接客を全て部員が行う。買い物や通勤の帰りの大人や、学校帰りの同級生が立ち寄り、ケーキや飲み物を楽しんでいる。(文・西健太郎、写真・幡原裕治)
12月下旬、千葉・鎌ヶ谷駅のロータリーにある喫茶店では、軽快な音楽が流れる中、笑顔で接客する部員の姿があった。カウンター奥の厨房で調理や食器洗いをするのも部員たちだ。店内は満席。ワッフルを口にした子どもから笑みがこぼれた。
「高校生カフェ」が開店したのは昨年11月。「鎌高料理研究部が社会貢献活動をしたがっている」と聞いた鎌ヶ谷市から部に打診があった。障がいのある方の就労支援の場として2011年に開店した喫茶店「フェーヴ」と協力し、月2回程度、金曜の夕方に部員たちが店を切り盛りすることになった。
12月の「鎌高特製クリスマスワッフル」、1月の「新春の和風ワッフルセット」など、季節を意識したメニューは全て部のオリジナル。「ほっこり一息、ミルクほうじ茶ゼリー」は、牛乳料理のコンクールで関東地区の最優秀賞に輝いた作品だ。店の前では、部員が販売するクッキーやミネストローネを求める人が引きも切らない。
カフェを始めるにあたり、部員たちはフェーヴの方に注文の取り方やあいさつの仕方を習い、調理や社会貢献に関する研修も受けた。部長の丸山貴愛さん(2年)は「同世代のお客さまには親しみやすく、年配の方には敬語で接しています。みんなが笑顔になるのがうれしい」と話す。
開店から2カ月余り。時にはミスをすることもまだあるが、試行錯誤を重ねながら、地域に愛されるカフェに育てようと、部員たちは奮闘している。
部活データ 鎌ヶ谷高校料理研究部
部員は女子11人、男子1人。顧問の石島恵美子先生や地域の食育ボランティアらの指導のもと、毎年秋の文化祭で世界の料理のフルコースを出すほか、地域のイベントへの出演や、コンクールへの出品など校外活動に積極的。週4日、放課後に運動部より遅い時間まで練習している