答えてくれるのは… 大学問題アナリスト 野澤和範

悩み

文系ですが、大学ごとの違いが分からず、何を基準に選んでいいのか分かりません。注意すべきことや、選ぶポイントを教えてください。 (高校2年女子)

回答

文系学部には、人文・教養系(文学部、人文学部、外国語学部など)教育系(教育学部、学芸学部など)社会科学系(法学部、社会学部、経済学部、商学部、経営学部など)そして最近はやりの総合系(国際学部、総合政策学部など)があります。

それぞれ選択の基準を示すと次のようになります。人文・教養系は、歴史の古い伝統大学が良いでしょう。特に文学部は、早稲田大学、慶應義塾大学、國學院大學など、多くの作家を輩出している大学の授業が充実しています。また、図書館の蔵書数が多い大学や、資料館・博物館を設置している大学が学修、研究で役に立つので調べてみるとよいでしょう。

教育系は、教員になる人が多いか否かがポイントですので、学部の就職状況を見てください。

社会科学系は、その学部がどの時代に設置されたかを調べてみてください。古い時代に設置された伝統ある学部は、その大学の看板学部ですから、教授陣も充実しています。また、ゼミがたくさんあり、全学生がゼミに参加できるかや、ゼミの構成が少人数(多くても30人)であるか否かもポイントです。小規模な大学の方が、ゼミが充実しているケースもあります。

総合系は、伝統的な学問分野を横につなぎ、特定のテーマに集約した学部です。教授陣もさまざまな分野の専門家が所属しているのが特徴です。ホームページで確認することで、具体的に学べる分野が見えてくるでしょう。

【のざわ・かずのり 】
1943年、東京生まれ。武蔵工業大学(現・東京都市大学)で入試広報を担当し、事務長として新学部開設に携わる。2009年退職後は、大学選びについて高校生・保護者への講演・執筆などを行っている。