32人が想いを一つに――。北広島高校書道部の書道パフォーマンスが5月26日、札幌市の商業施設・サッポロファクトリーで行われ、礼儀正しく、真剣に書道に向き合う姿が市民に発信された。いきものがかり、ゆずなどの曲に合わせて歌詞を書き上げる近代詩文書などを披露。書き手とサポート役が息を合わせて動き、作品を仕上げる様子が一つの芸術にもなっていた。
観客が見つめる中での1時間半は「集中していたので時間が経つのが早かった」と、副部長の町村直実さん(3年)。部長の豊田真梨奈さん(3年)は「2年生もたくましくなって、不安がっていた1年生がそれに付いていく姿も見られて、後輩たちの成長がうれしかった」と、下級生の頑張りを喜んだ。
書道パフォーマンスは、校内で10年以上前に始まり、校外では4年目になる。其田茉侑さん(3年)は、「書道パフォーマンスに興味があって入部したら、先輩たちが優しくて雰囲気が良かった。いい先生、仲間に出会えて良かった」と話す。下級生の「個」も大切にして、お互いを認め合う部の伝統が引き継がれ、人間性も磨かれている。 過去に校内では、合唱部、図書局、華道部などと協力して、学校近くの自然の中で「森の中の書道展」も開催してきた。斬新な取り組みの一方で、国際高校生選抜書展(書の甲子園)で6年連続団体賞を得るなど、書道の実力も高いレベルを維持している。
大会や行事に向けて、1カ月前後を費やすなど日々の積み上げもいるが、達成感も大きい。「準備とかに時間が膨大にかかるんですけど、出来上がったものを見たら感動が大きい」と手塚奈央さん(3年)。「書けば書くほど努力した分が返ってくるんです」と表里砂さん(3年)。最近は、部の活動が知られることで、近隣住民など、外から応援の後押しがある。その励ましが、日々書に打ち込むエネルギーにもなっている。 (文・写真 岡崎敏)