第46回全国高校総合文化祭(とうきょう総文2022)の書道部門の表彰結果は、宮田佳南さん(宮崎・日南高校3年)の「王文治詩」が最優秀賞・文部科学大臣賞に選ばれ、8月2日にかつしかシンフォニーヒルズ(葛飾区)で表彰された。(椎木里咲)

中国の書家の詩を力強く表現

書道部門に出品された作品は300点。文部科学大臣賞は、その中の最高賞だ。

文部科学大臣賞に輝いた宮田さん

日本一となった宮田さんの作品「王文治詩」は、黄色く染められた草紙に行草体の文字が力強く書かれていることが特徴。王文治とは中国・清の時代の書家で、詩文や書で名声を得た人物だ。150枚くらい練習し、最後に書き上げた作品が一番うまくでき、出品した。

「かっこいい」とほれ込んだ

作品を制作する際は、まず様々な漢詩文が入っている本を読んで「詩文選び」をする。「文字の並びがかっこいい」と王文治の書を選んだ。

宮田さんの作品「王文治詩」。150枚の練習の集大成だ(学校提供)
 苦労したことは、紙に書く際の構成。一つ一つの文字の大きさが違うと、全体のバランスが悪くなってしまう。文字の大きさをそろえつつ、中央に「格好いい字」が来るように並びを調整した。

「トロフィーに憧れて」書道の道へ

書道を始めたのは、小学校3年生のとき。「テレビ番組か雑誌かは忘れてしまったのですが、アスリートがオリンピックのトロフィーを得たニュースが印象に残った」のだという。そのきらびやかなトロフィーを「自分もほしい」と憧れを抱いた。運動が苦手だったため、「書道は自分に合っている」との思いから、軽い気持ちで書道教室に通い始めたそうだ。

表彰はかつしかシンフォニーヒルズ(葛飾区)で行われた

憧れのトロフィーを手に、「自分が書いてきた作品はまだまだ幅が狭い。大学でも書道に関係する道に進んで、いろいろ書いていきたい」と展望を語った。