大阪の追手門学院高校で1月29日、一足早い卒業式が開催された。同校では、厳粛な雰囲気の式の後、後輩たちが会場の装飾や空間作りを手掛ける、もう一つの卒業式が開かれる。40年ほど前から続く伝統行事だ。
昨年11月から準備
1、2年生約80人の実行委員会が昨年11月から「美装」「垂れ幕」「くす玉」「テープカーテン」「紙吹雪」の5つのパートに分かれて準備してきた。
式ではまず、ステージ中央でのくす玉開きに併せて、「未来へ羽ばたけ」「今を全力で駆け抜けろ」「この出会いは一生の宝」という3つのメッセージの垂れ幕が掲げられた。くす玉パートリーダーの河村春花さん(2年)は「卒業生の活躍を願うとともに、仲間とのつながりを感じてもらおうと思った」と話す。
卒業生一人一人が卒業証書を授与される間、会場全体に舞った紅白の紙吹雪は、全校生徒が協力して準備。ステージの背景を彩る「未来64(期生)」の文字は、何本ものテープを使って表現した。
3年生の教室も飾り付け
3年生の教室を飾り付けたほか、体育館前の大きなステンドグラスに「未来」や「希望」の花言葉を持つ花もデザインした。実行委員長の立石夏奈子さん(2年)は「今年は紙吹雪だけでなく風船も飛ばすなど、より華やかな装飾を目指した。無事に先輩たちを送り出せてよかった」と話す。
準備には自治会(生徒会)も協力。会長の成宮綾さん(2年)は「自治会新聞などで実行委員を募り、多くの人に関わってもらえるように心掛けた」と話した。
(文・写真 新海美保)