神戸常盤女子高校(兵庫)演劇部は、第49回全国高校総合文化祭(かがわ総文祭2025)の演劇部門で、全国ベスト4にあたる文化庁長官賞を受賞した。優秀校東京公演(8月23・24日、新国立劇場)では受賞作を上演し、観客を物語にひきこんだ。(中田宗孝)

女子高校生が主人公の青春劇

オリジナル作品「キャベツはどうした?」(作・(有)山ヤ百貨店)は、卒業後の進路を就職希望にする3人の女子高校生を中心に描く青春劇だ。「口から生まれてきた女」「笑わない女」「自信のない女」と、個性バラバラな女子生徒が、夏休みの校内で心揺さぶられる出来事に直面する……。

「キャベツはどうした?」の一幕(主催者提供)

「役との共通点」を探した

出演者の1人、伊藤綾香さん(2年)は、自分と演じる「自信のない女」役との共通点を探りながら役づくり。「私と性格が似ている部分があって、そこから役に近づけていきました」

演者たちは「楽しさ」を意識して稽古をしたという。「『面白い劇!』と思ってもらうには、私たちが練習から楽しむ姿勢が大切」(馬場美乃理さん・1年)

物語前半では、「口から生まれてきた女」役の安尾彩花さん(3年)が、せりふの言い回しやコミカルな動きを駆使して「ボケ」を畳み掛けた。彼女の演技は笑いを何度も誘い、観客を物語へとグッと引き寄せた。