2015年夏のサマースクール

高校生が日本と海外の大学生と合宿生活を送りながら学ぶサマースクール「HLAB(エイチラボ)」が夏休みに東京など国内4カ所で開かれる。

 HLABは、学校・世代・国境などの壁を越えた交流を通じ、高校生に進路や将来を考えてもらおうと2011年に始まった。米ハーバード大の1年生向け授業をモデルにしたセミナー、各界の第一線で活躍する人による講演、自己分析などを体験できるワークショップ、社会人ゲストとの自由な語り合いなどのプログラムが盛り込まれている。

 主催団体の学生代表、千葉馨さん(慶應義塾大学3年)は「自分は何をやりたいか分からないが、一歩踏み出したいという高校生に来てほしい」と話す。プログラムは英語で行われるが、周りの人がサポートしてくれ、「英語力より伝えたい気持ちが大事」という。

 東京、長野、徳島、宮城の4地域合わせ240人を募集。国内外の大学生160人が高校生の指導役として参加する。期間は地域により異なり、6泊7日〜8泊9日。4地域とも参加費6万円。応募受け付けは6月8日まで。詳細はウェブサイトを参照。

昨年の参加者から 「将来の夢を具体化できた」

 2015年8月に東京で開かれたHLABのサマースクールに参加した堀井まりんさん(静岡雙葉高校3年)に体験記を寄せてもらった。

■自分を素直に出せる空間

 HLABに参加をして9カ月たった今でも、HLAB TOKYOでの9日間は私にとってかけがえのない時間だったと言えます。全国、そして海外からもやってくる日本の高校生や国内外のトップクラスの大学で学ばれている大学生と出会って刺激を受け、帰国子女である自分も、日本に戻ってきてから今までいかに狭い世界で過ごしていたか、知ることができました。また、参加者が物事を追求する際の深さにも驚き、それが居心地よくもあり、自分を素直に出せる空間になりました。

■社会人と夢について語り合う

 「フォーラム」(講演)では、幅広い分野の方々から学び、海外大学生による少人数の「セミナー」では、“Leadership and Negotiation”“Education and Social Mobility”“Saying Yes Let’s”など英語でたくさんの種類のレクチャーを受けました。すべてのプログラムがとても充実していて、多くのことを学べることができたのですが、中でも就寝前に行われる「フリーインタラクション」の時間がいつも楽しみでした。ここでは、さまざまなバックグラウンドを持つ社会人の方と直接お話ができます。興味をもった分野の方と、しっかりと目的を持って話をすることができました。当時は漠然と将来は途上国で活動したいと思っていたのですが、その分野で活躍をされている方と直接お話をすることで、自分の将来のvisionを達成するためにどんなことをすればいいのかを知ることができました。そして、今はより具体化した夢を持つことができ、高校3年の現在それに向かって一生懸命頑張っています。

■サマースクールの後も続く交流

 参加者は「ハウス」と呼ばれるグループに分けられ、そこにリーダーの大学生が加わり、活動をします。ハウスのメンバーと一緒にいる時間が長かったので、今でも世界に散らばっているメンバーと連絡が続き、長期休みに会うこともあります。一生の仲間に出会えたと思っています。また、SNSなどでHLABの友達たちがそれぞれ活躍している姿を見ていると、とても刺激になり、常に自分のモチベーションをあげてくれます。参加しようか迷っている高校生のみなさん、ぜひ応募してみてください。一生の思い出ができます! そして新しい自分も発見できるかもしれません。

HLABで同じ「ハウス」で活動を共にした高校生や大学生と