一部の高校生の間で、インターネットで配信されている音声コンテンツ「ポッドキャスト」がひそかに人気を集めている。何が高校生をひきつけるのか、魅力を探った。(椎木里咲)
一部の中高生にポッドキャストがはやっている?
LINEアカウント「高校生新聞編集部」をフォローしてくれている中高生読者117人に、「ポッドキャストを聴く頻度」をたずねた。「週に1回以上聴く」と回答した人は12人、「気が向いた時にたまに聴く」は34人と、約4割の回答者がポッドキャストを聴いたことがあると答えた。
【魅力1】英語の勉強にぴったり
次に、中高生たちにポッドキャストの魅力を答えてもらった。多く見られたのが、「英語の勉強に活用している」という声だ。

「Apple podcastで、毎日朝食と通学の時間に英語学習に関する番組を聴いている。いつでもどこでも手軽にリスニング力が鍛えられる」(つぶあん・高2)、「『BBC Learning English』という番組を聴いている。英検など英語の試験の直前に聴き、知らない単語が出てきたら調べる。調べた単語が試験に出ることもある」(おぱんちゅ・高1)と、リスニング力を強化するのにぴったりのコンテンツを活用している様子。通学時間など、隙間時間を活用できる点も忙しい高校生にぴったりだ。
「バスの中で聴いている。単語帳を開いていると寝てしまうので、英語のニュース番組を聴きながら集中している」(しぃ・高2)と、音声で集中力を高めている高校生もいた。
【魅力2】「ながら作業」ができる
同じく多く寄せられたのが、「何かをしながら聴ける便利さ」だ。「YouTubeは映像に見入ってしまうけれど、ポッドキャストは音声だけだから作業をしながらでも聴きやすい」(ほえーる・高3)、「皿洗いの時など、作業をしながら聴いている」(緑のヒゲ・高1)と、「ながら聴き」している中高生の声が多く寄せられた。
「お風呂のときに聴いてゆったりした気持ちになっている」(さっぴ・高1)、「寝る前に聴いている。不眠症気味なので、聴いているだけで暇をつぶせてありがたい」(中2)と、リラックスしている人もいるようだ。

【魅力3】何度でも、好きな時に聴ける
ラジオとの違い、という点で寄せられたのが、「何度でも聴き返せる点」と「好きな時間に聴ける点」だ。
「お笑い芸人の番組を聴いている。過去の放送回も何度でも聴けるので、耳がさみしいときのお供になる」(りー・高3)、「あいみょんのオールナイトニッポンゴールドがお気に入り。2時間番組を聴くのは難しいので、少しずつ分けて聴けるのがよい」(ふたば・高3)などの声が寄せられた。ラジオと異なり「リアタイ」という概念がなく、自身の手が空いた時間に聴けるのが魅力のようだ。
【魅力4】推しの番組を楽しむ
「推し」の番組を聴いている人も多くいた。「好きなアーティストさんの出演している番組を聴いている。1日の疲れなども推しを拝んで気分を上げる」(あおこ・中3)、「推しのグループが交代交代で毎日配信している」(かずのこ・中3)と、推しの声を聴いて気分を上げている様子がうかがえる。

忙しい中高生にぴったり
中高生は勉強や部活などに追われる、忙しい日々を送っている。ポッドキャストは勉強や娯楽などさまざまな方向性に活用できるうえ、聴きながら作業できる点が、中高生の生活にハマっているのかもしれない。