慶應義塾湘南藤沢高等部(神奈川)の新聞部は、第49回全国高校総合文化祭(かがわ総文祭2025)の新聞部門で、最優秀賞を受賞した。どう新聞づくりに向き合っているか聞いた。(文・写真 椎木里咲)
「すぐ読みたい」思いに応え行事3日後に速報
最優秀賞には慶應義塾湘南藤沢など5校が選ばれた。同校新聞部の部員数は中等部も含めて32人。年間で本紙を約10回、速報を約15回発行している。「体育祭や入学式など、生徒が『すぐに読みたい』と感じている情報は、行事の約3日後に発行しています」

内容は学校生活を伝えるものから慶應義塾大学卒業生のインタビュー、大阪・関西万博の特集などさまざま。「部員が『やりたい』と感じたネタを持ち寄って、編集会議を開いてまとめます。上級生から下級生に企画のアドバイスをすることも多いです」(部員の中山力樹さん・2年)
忙しい生徒が目にとめるレイアウトを
中山さんは昨年、「教科書特集」の企画を提案した。「うちの学校は先生自作のプリントを使う授業が多く、『教科書を使わないのはもったいない!』と感じたんです。教科書会社の社員に取材するなどして、魅力をまとめました」
精力的に活動するが、中山さんには悩みもある。「高校生って忙しいので、なかなか新聞を読んでもらえないんです」
見開きの紙面の左上に写真を大きく置いて注目を集めるレイアウトにしたり、見出しを読めば内容が分かるようにしたりと、工夫を重ねている。

今後は、さらに生徒に読まれる新聞を目指したいという。「僕は周りの人から感想をもらえるのが好きなんです。生徒の身の回りにある課題を、いかに面白い企画に結びつけられるか。これからも試行錯誤したいです」