松山高校(埼玉)新聞部は8月1~3日にかけて行われた全国高校総合文化祭(清流の国ぎふ総文2024)の新聞部門で、出場校の中から5校に与えられる最優秀賞を2年連続で受賞した。部長の根本翔大(しょうた)さん(2年)、取材班副班長の坂脇賢太郎さん(2年)に聞いた。(文・写真 椎木里咲)

1年に99回発行

部員数は1年生66人、2年生52人、計118人の大所帯。新聞は月に2、3回、昨年度の発行実績は速報を含めて99回だ。内容は学校行事の紹介やオープンしたての施設の紹介など多岐に渡る。

根本さん(左)と坂脇さん

部は取材をする取材班、記事を書くライター班、写真を撮影する写真班、紙面を作るIT班の4班に分かれている。紙面には部活や生徒会で注目されている生徒から話題の商業施設の紹介、企業への取材などありとあらゆる内容が並んでいて、アポ取りから生徒が行っている。

理念は「自分たちの興味を大切にする」こと。「月に1回部員から取材をしたい人や施設をまとめた『アポ案』を募集し、グループLINEのノート機能を使って投票。票が多く集まったところや、その回の紙面のテーマに合った内容を採用します」(根本さん)

よい記事は入念な下準備から

根本さんは「どう質問すれば引き出したい回答を得られるか」を試行錯誤している。「全然よい解答を引き出せなかった取材もあって……事前にどんな記事を作りたいか、内容を練っておくことを心がけています」という。

一方坂脇さんは「その場で質問を重ねる『追い質問』が苦手。より深い話を聞けるように、事前の下調べを入念にしています」と新聞作りへの熱意をのぞかせる。

発行している新聞の一例

部員ゼロから2年連続全国最優秀

一時期は部員が0人となり、廃部の危機に追い込まれた。4年前に顧問に着任した矢野悠季先生が部員集めに奔走し、今や全国高校総合文化祭において、2年連続で最優秀賞受賞を受賞するほどの部になった。

坂脇さんは「後輩に3年連続の最優秀賞を取らせたい」と意気込む。「新聞は誰かと協力してひとつのものを作る達成感が魅力。新聞の魅力とともに、自分たちが今できることを後輩に伝えたい」