各生徒会役員は、学校代表ではなく個人の資格で参加。その多くが同じ宿舎に泊まり、交流を深めた

第3回全国高校生徒会大会が3月30日から4月1日まで、東京都内で開かれた。高校生の実行委員が企画・運営し、24都道県の77校から、生徒会活動に携わる約180人が集まった。参加した生徒たちは、新たな発想を得ようと真剣な議論を重ね、学校を超えた交流も深めた。(堤紘子)

役員も生徒の一人

「生徒会役員は(一般の)生徒との距離で悩むが、皆さんも生徒の一人。生徒の目線を持った役員として課題の解決策を考えてほしい」
 
 3月30日に衆議院第1議員会館であった開会式。実行委員長、三浦涼さん(東京・東洋英和女学院高等部3年)が、参加者に呼び掛けた。
 
 今大会では、生徒会が抱える課題の解決をテーマにした3日間にわたるプログラムに加え、自由参加の交流日を1日設けた。
 
 初日は、「生徒の意識」「先生・学校との関係」など、抱える悩みごとに班を組み、解決策を話し合った。

悩みを「シャッフル」

2日目からのテーマは「生徒会マニフェスト(公約)を作ろう」。初日とは別の班で役職を決め、仮想の生徒会を結成。
 
 「生徒会活動に対する校内の関心が低い」「委員会や顧問との連携が難しい」―。あらためて共有した悩みはさまざまだが、共通点も多い。
 
 各班の課題の解決策を考えるのは、自分たちではなく、別の班。課題を「シャッフル」するのは、当事者以外が考えることで、新しい発想を生みだす狙いがある。
 
 3日目は、前日の議論を踏まえて作った「理想の生徒会を運営するためのマニフェスト」を発表。「SNSを利用した校内アンケート結果を広報紙に反映させる」「役員へのリコール(解職請求)制度の導入」など、各班からユニークなアイデアが出た。

貴重な機会 続けたい

大会を振り返り、「他校との交流を通じて、得られるものが必ずあるので、この大会を続けてほしい」と語るのは、もう一人の実行委員長、長澤生眞君(兵庫・灘高校3年)。今年は、参加者を広げようと、各地の高校への案内の発送をはじめ、大会の認知度向上に努めた。
 
 今年の大会を終え、来年の大会を担う新しい実行委員会が動き出す。「この大会を一から作り直す気持ちで後輩にも頑張ってほしい」と、長澤君は後継者に思いを託した。