今、高校生の中で「グミ」が圧倒的に人気を集めている。どこでも手軽に食べられるお菓子としてあめやガムが思い浮かぶが、なぜ高校生の中では「グミ」が定番なのか。理由は、「友達とシェアする楽しさ」があった。(椎木里咲)
4割以上が「グミを週1回以上食べる」
高校生の中で、グミが定番のお菓子になりつつある。高校生記者からも、グミに関する投稿が寄せられている。例えばもちもちした弾力がある「マロッシュ(カンロ)」、ギョーザの形がおもしろい「ギョーザの子(カバヤ)」、ドイツのグミ「スターミックス(ハリボー)」など、数々の種類のグミが人気を博している。

実態を調べるために、高校生新聞が高校生101人に「グミを食べる頻度」を聞いたところ、「毎日食べる」「毎週食べる」人を合わせて43%で、4割以上の高校生がグミを週に1回以上食べていた。
「あめ、ガム、タブレットを週1回以上食べる頻度」は、あめ25%、タブレット18%、ガム12%だった。比較しても高校生の中ではグミが支持を得ているとわかる。
人気の理由は「友達とシェアしやすさ」
高校生にグミの魅力を聞くと、「友達とシェアできる」点が多く寄せられた。学校に持っていき、グループで交換するのが定番になっているようだ。ほえーるさん(2年)は「同級生10人くらいでグミを交換している」と話す。「いろいろな味があるので、『この子はこの味が好きそうだな』と持ち寄るのが楽しい」

ぷりんさん(2年)もグミ交換を楽しむ。「グミは脂質が少ないから、女子高校生に人気なんだと思います。パッケージにチャックがついてい、食べ残しを持ち運べるのも便利」と、高校生活にぴったりのお菓子なことがわかる。
ストレス解消で「ハードグミ」、疲れたら「ソフトグミ」
「食感の楽しさ」についても多くの意見が寄せられた。ほえーるさんは勉強中にグミを食べるといい、「集中力が途切れてきたら食べている。かむと集中力が上がります」と勉強のお供にもちょうどよい。

CHOCOCOさん(2年)は気分によって食べるグミを変えている。「ストレスがたまった時はハードグミを思いっきりかんで解消しています。疲れているときや甘いものが欲しい時は、ソフトグミを食べます」。
「ハートがうれしい」「カラフルでポップ」見た目も人気
さらに、「かわいさ」も高校生から支持を集める理由の一つだ。のっぺさん(2年)は「ハート形のピュレグミ(カンロ)はかわいくて、もらうとうれしくなる」と話す。他にも「ポイフル(明治)はカラフルでポップなところが好き」(ぷりん・2年)、「ハリボーのグミはいろいろなかたちがあってかわいい」(1年)など、味だけでなく「見た目」でも人気を集めている。
「ガムの代わり」でコロナ禍以降に人気上昇
グミの人気はどう変化しているのか。「ピュレグミ」などの人気商品を扱うカンロによると、グミの売り上げはコロナ禍前の約2倍に伸びているという。マーケティング担当者は「ガムの代わりに『かむお菓子』として台頭した」といい「若い人たちの間での気軽なコミュニケーションになった」「コロナ禍での『おうち時間』での楽しみとして受け入れられたのでは」と話す。ここ数年はSNSの影響も大きく、インフルエンサーなどが海外製のグミを紹介したこともブームに火をつけたと分析する。

流行の背景に「商品開発の自由度」
加えてピュレグミの開発担当者は、「グミは色や形、食感の自由度が高く、トレンドを取り入れやすい」と話す。例えばグミの形がハート形になっていたり、一つのフレーバーにつき5種類のパッケージを展開したり、若年層の心に刺さる工夫がうかがえる。
さらに、ハードな弾力が特徴の人気商品「カンデミーナ」の開発担当者は、「今はハードグミがブーム」だと語る。「食べ応えがあり、1粒で満足感が得られる」ことが人気を集めており、ブームがどう発展するか、今後の流れにも目が離せない。
グミは高校生活に「寄り添える」お菓子
高校生を取り巻く「グミブーム」。あめやガムと比べても、大きな人気を誇っていることがわかった。夢中にさせる理由はおいしさだけでなく「友達とのつながり」や「集中力アップ」「かわいさの共有」など、高校生活のあらゆるシーンに寄り添えるところにあった。