谷川俊太郎さんは現代詩の最前線を走り続けたすばらしい詩人です。私は中学生のときに同性を好きになって悩んでいた時、谷川さんの詩に救われました。(高校生記者・りつ=1年)
同性を好きになり罪悪感抱え
中学生のとき、私は同じ部活の同性の友達を好きになりました。友達としてではなく、恋愛対象として、です。とても混乱しました。
以前、母親に「子どもが同性愛者だったらどう思う?」とそれとなく聞いたら、家から追い出す」と明確に拒絶されました。それから私は同性を好きになったことを必死に隠すようになりました。友達を好きになった事実も隠さなければいけない、でも隠し事をしている罪悪感が消えない……とても悩みました。
「自分の気持ちを吐き出したい」と思い、小説や俳句、詩を書くようになりました。そして参考にしようと有名な詩を調べていたところ、谷川さんに出会いました。
「気持ちを代弁してくれた」詩に救われ
調べていくと、歳を重ねても最前線で活躍していると知り、長く活躍し続ける姿に憧れるようになりました。
最初に出会った作品は『はだか 谷川俊太郎詩集』(筑摩書房)に収録されている「きみ」。少年同士の恋愛をつづった詩のようでした。読むと、同性が好きで悩んでいる自分の気持ちを代弁してもらったような気がして救われました。この作品がなければ、私は今もずっと苦しんでいたのかもしれないと思うと、とても怖いです。
私は今、文芸部に所属し、詩をたくさん書いています。谷川さんの作品を参考にして書くことが多いですが、やはり谷川さんのように広い世界を描写するのは難しいです。ですが、同性愛に関する葛藤や悩みを文字にして吐き出せるようになり、すごくスッキリしています。谷川さんの作品をこれからも愛し、谷川さんを目標に、進んでいこうと思います。