各地の高校生が歌詞の意図を説明した(7月25日、鳥取市の「わらべ館」)

唱歌「故郷(ふるさと)」の歌詞を、自分が住む地域社会をイメージして作ったら……。そんな課題に各地の高校生が授業などで取り組み、8校の代表が7月26日に鳥取市であった「〈故郷〉四番プロジェクト全国大会」で歌詞を披露し合った。

 プロジェクトは、歌詞作りを通して高校生に新たな地域社会像を見つけ出してもらうのが狙い。首都大学東京の西島央准教授が提唱し、各地の高校で実践が始まっている。大会では、高校生が地元の写真をプロジェクターに映して歌詞の意図を説明。プロの声楽家が歌詞を歌い上げた。

 島根県の離島にある隠岐島前(どうぜん)高校の歌詞は「志を果(はた)しに 都(みやこ)離れ 島家(しまいえ) 島人(しまびと)達と語り合いて 心ツナグ 島前」。竹内勝馬君(2年)は「一度島を出たが、志を果たすために島に戻って来る人や、(島外から)島に来る人がいる。そんな人と、島人が手を取り合っている」と、歌詞を解説した。竹内君自身も京都から「島留学」している。

 豪雪地帯にある長野県飯山(いいやま)高校は、人口流出に悩む地域や都会に出ていく若者について歌詞にした。「郷の愛に 気づかず 都会(まち)を求め 旅立つ 雪を見れば ふと思い出す 胸の中に 故郷」。徳永好花さん(1年)は「歌詞を作るために地域のことを調べ、人口減の問題に気づいた。流出に歯止めをかけないと」と話した。

(西健太郎)

以下にほかの出場校の歌詞を掲載
http://www.koukouseishinbun.jp/2014/09/21832.html