全国の高校生が国内や海外の大学生と合宿生活を送りながら学ぶ「HLAB(エイチラボ)サマースクール」が2024年8月に国内4地域で開催される。さまざまな背景をもつ他校の生徒や大学生、社会人との出会いや語り合いを通じて、自分を見直したり、進路を考えたりできるイベントだ。募集人数は合計270人。応募締め切りは6月16日。

大学生160人以上が高校生をサポート

開催地は、東京都、長野県、宮城県女川町、愛媛県大洲市。2011年からサマースクールを手掛ける一般社団法人HLABが各地の自治体と協力するなどして運営する。

サマースクールは米国ハーバード大学のリベラルアーツ教育の舞台である寮生活をモデルにしており、参加者は寝食を共にしながら、語り合い、学び合う。国内と海外の大学生160人以上が運営や高校生のサポート役を務める。国内大学は東京大、京都大、早稲田大、慶應義塾大、国際基督教大、上智大など、海外大学は米国のハーバード大、スタンフォード大、コトンビア大、ニューヨーク大、英国のオックスフォード大、ケンブリッジ大などからが学生が参加する予定という。

2023年に東京で開かれたHLABサマースクール。高校生と大学生が語り合いながら学んでいた

対話型授業や語り合い通じて交流深まる

プログラムは、生徒数人と先生役の海外大学生による対話型授業や、社会の一線で活躍する人による講演、学生や社会人との自由な語り合いの時間、地域の特色を生かしたワークショップなどで構成される。約1週間のプログラムを通じて、高校生同士、また高校生と学生や社会人との交流が深まるように設計されている。

課題エッセイで選考、参加費減免枠も

4地域とも8月14日から開始し、東京は21日まで8日間、他地域は20日まで7日間。参加費は、東京は13万2千円、他地域は11万円(いずれも税込み)。各地で奨学金制度も設けられており、東京では能登半島地震の被災地の高校、首都圏以外の高校、国公立高校を対象とした減免募集枠がある。他地域では地元の高校生を対象とした減免枠がある。

締め切りは6月16日。課題エッセイなどによる選考がある。応募は4地域まとめて受け付け、応募者の希望も踏まえて参加地域を事務局が決める。

プログラムでは日本語と英語を使用するが、英語力を選考基準にはしていない。英語使用にも大学生のサポートがある。「コミュニケーションをとるやる気があれば、英語力を伸ばすきっかけになる」という。

「生涯の友」得られる機会にも

大学生スタッフとして広報を務める香川裕樹さんは高校時代にHLABサマースクールに参加した。「いろんな思いを胸にした参加者それぞれが生涯の友を得たり、自分を変えるきっかけを作ったりと、何かを家に持ち帰っていました。私も将来の道へのきっかけを見つけました」と振り返る。今の高校生には「1週間で自分の何かを全て変えることは難しくても、変えるためのきっかけや選択肢を高校生に提示することはできると思っています。自分を見つけたり、生涯の友達を見つけたり、自分自身や環境を変えていろんな経験を積んだりする、そんな機会にしてほしい。私たち運営委員はそれを全力で手助けをします」と語る。

募集要項の詳細は公式サイトを参照。