生徒や先生がピンクのものを持ち「いじめ反対」の意思を示した(2月24日、静岡雙葉高校の校庭=学校提供)

2月24日、静岡雙葉高校・中学校の校庭に、ピンクの文房具やマフラーを手にした300人を超える生徒と先生が集合した。国際的な取り組み「ピンクシャツデー」(MEMO参照)に賛同した高校2年生が発案した、いじめ反対を訴えるプロジェクト「Think Pink Project」の締めくくりの企画だ。
(田中淑子)

プロジェクトは、高校2年生の評議員(クラス役員)8人が企画した。企画代表の堀井まりんさんが中学3年生の時から始め、今回が3度目となる。

堀井さんは「私自身、海外のインターナショナルスクールに通っていた時に人種差別を受けました。その経験もあり、いじめ撲滅に取り組みたいと思っていたところ、カナダから始まったピンクシャツデーを知り、企画しました」と話す。

今年は2月17日から24日まで、いじめ反対の意思表示としてピンクのものを持ってきてもらうよう校内に呼び掛け、賛同してくれた生徒や理事長、先生の写真を撮影し、掲示板に張った。事前に各クラスに案内を配ったり、初日の朝に校内放送をしたりして、アピールに努めた。

SNSの使い方、見直して

今回はネットいじめを意識し、SNSの使い方を見直してもらうことも目標に掲げた。「(身近で問題が起きているわけではないが)、SNSは簡単に人を傷つけたり、悪用されたりする危険性があることを生徒に自覚してほしかった」(堀井さん)

年々、参加してくれる生徒が増えてきた。生徒からは「いじめる側にならないように気を付けよう」といった声が聞かれた。「この企画を引き継ぎたい」という後輩も現れたという。堀井さんたちメンバーは「いじめは心の問題。無意識のうちにいじめる側にならないように気を付けてほしい」と願っている。

 MEMO 
ピンクシャツデー カナダの高校で2007年、ピンクのポロシャツを着て登校した男子生徒がからかわれ、暴行を受けたことが発端となり、学校中の生徒がピンク色のシャツを着ていじめに対抗する運動が始まった。その学校では、いじめがなくなったという。それから、毎年2月最終水曜日に、賛同者がピンクのシャツを着ることで「いじめ反対」のメッセージを送る運動が世界70カ国以上に広がった。