埼玉・大宮光陵高校管弦楽部は、部員の多くが学校の「音楽科」で自分の専攻楽器で学んでいる。部では自分の専攻とは異なる楽器を手にし、普通科などで学ぶ生徒と一緒に美しいハーモニーを追求している。(文・写真 野口涼)
練習は週4日。放課後のわずか40分。練習時間が短いのは、部には音楽大学を目指す音楽科の生徒が多く、部活後に自分が専攻する楽器の個人練習を控えているためだ。
練習時間の全てを合奏にあてる。所属する音楽科の生徒のほとんどが、部活では自分の専攻と異なる楽器を担当する。部でチェロを弾く齋藤瑠菜さん(ピアノ専攻2年)は「チェロの音をイメージしながら、ピアノを弾けるようになった」と成長を実感している。
音楽の幅が広がる
取材日はチャイコフスキーの組曲「白鳥の湖」より「ワルツ」を練習していた。指揮をする顧問の臼木秀臣先生が曲を止め、「ため息みたいに聞こえる」と指摘すると、すぐに音色が変わった。「僕の言葉はただのきっかけ。どう弾くかを自分で考えられる生徒たちなので」と臼木先生。
部員は部活での演奏を通じ、自分の音楽の幅を広げている。
部長に聞く
部ではビオラ担当 余湖綾音さん(音楽科ピアノ専攻3年)
音楽科以外の部員も在籍しています。みんなで気持ちを合わせるオーケストラには、ピアノとは違う魅力があります。
- 【TEAM DATA】
- 1986年創部。部員51人(3年生27人、2年生24 人)。音楽科以外の生徒は約10人。2013年度の全国高総文祭にも埼玉県代表として出場した。
部のレパートリーは20 曲以上。4 月には1 日2 曲を演奏する「新入生歓迎コンサート」を3回ほど開催予定。毎年8月には埼玉会館大ホールで定期演奏会を開催する。