子どもの学習支援などに取り組む認定NPO「キッズドア」は、女子高校生が働く社会人と共に将来について考えたり発表したりするキャリア教育プログラムを10月から来年3月まで開く。大学の学校推薦型選抜や総合型選抜の対策にも役立つ内容という。全21回で参加費は無料。応募は9月15日まで。

全21回、東京で 金融機関社員が協力

プログラムは総合型キャリア教育「STEP FOR TOMORROW 2023」。外資系金融大手「JPモルガン」が協力する。10月5日から3月28日まで、年末年始などを除き毎週木曜日の夜6時から8時まで開く。原則、対面で開催し、東京駅近くの会議室などを使用する。

社会で活躍する女性の講演も

内容は、高校生がJPモルガンの社員の助言を受けながら、自分の将来の目標やそれを実現する方法などを考え、発表する「キャリアメンタリング」のほか、コミュニケーションスキルや思考力、パソコンソフトを学ぶ回や、社会でリーダーとして活躍する女性として区長やジャーナリスト、企業の代表などの講演の回もある。

過去のプログラムの様子(キッズドア提供)

コミュニケーションが苦手な人も上達

昨年は同様のプログラムを男子も含めて実施。「コミュニケーションが苦手」という参加者が人前で意見を話せるようになったほか、大学入試で志望動機をまとめたり発表したりするのに役立ったという参加者も多く、好評だったという。

経済的に厳しい家庭の子にも機会を

キッズドアによると、今回参加資格を女子に限ったのは、女性の社会進出が阻まれる「ジェンダーギャップ」が日本でいまだに大きいため。渡辺由美子理事長は「優秀な女性でも自分に自信がなく、キャリアにキャップをかけている」と話し、リーダーとして活躍する女性の姿を女子高校生が知る意義を語る。経済的に厳しい家庭の子に教科の学習以外の体験的な学びの機会を提供する意図もあるという。

定員は100人。15~20歳であれば高校を不登校の人や中退した人も対象。交通費(往復2000円まで)、弁当を支給し、パソコンなどの貸し出しもする。応募者が多い場合は、世帯年収を考慮してこうした機会に参加しにくい人を優先する。内容の詳細や申し込み方法は公式サイトを参照。