「個性や多様性を大事にする社会になってきた」と、ニュースを見たり新聞を読んだりする中で感じることが多くなりました。その「個性」という言葉にモヤっとする自分がいます。「私は個性がない」と感じるからです。(高校生記者・在処=3年)
私には個性がない
私は都内の私立高校に通う、ごく普通の高校3年生です。私にはコンプレックスがあります。それは「個性がないこと」です。
頑張っても勉強は中の上かよくて上の下。運動も芸術も特に得意でも苦手でもなく、全てにおいて平均的です。昔から全部そこそこできる器用貧乏なタイプでしたが、自分でそのことに気づいたのは中学生の頃。それでも学校行事などでは手伝いで呼ばれることも多く、他人に必要とされていると思えて、自分では長所だと思っていました。
ところが、高校2年生になり本格的に進路を考えていくにあたって、「個性がない人間は今の社会ではあまり必要とされていないのではないか」と考えるようになりました。
社会は独創的な人材を望んでる
例えば、大学受験では多様なバックグラウンドを持つ学生の入学を求める「総合型選抜」を導入する大学が増えています。少子化が加速しているからこそ、社会は世の中をよりよくしていける独創的な発想力やリーダーシップを持っている人材を強く望んでいるように感じます。その結果が大学受験の選抜方法にも出ているのではないでしょうか。
多様性の中に「無個性」も入れてほしい
近年、「多様性を大事にした社会」が理想とされています。そのような社会を作るために日本の将来を担う世代として、今の私たちの世代は重要視されています。私も、個性的なアイデアや行動力で私たちの国を引っ張ってくれるようなリーダーが出てきてほしいです。それでもその多様性の中に、「私のような無個性な人も入れてほしいな」と思います。