SNSにはさまざまなダイエット情報があふれている。中高生には、どんな影響を及ぼすのだろうか? 日本摂食障害協会理事の作田亮一先生が答えてくれた。(黒澤真紀)

ダイエット情報だらけなSNSの危険

―SNSを見ると、ダイエット情報にあふれかえっています。SNSと摂食障害の関連性を教えてください。

TikTokやInstagram、Twitterでは、細い体型のインフルエンサーたちが写真をアップしていたり、「○○を食べてダイエットをしました!」といったダイエット方法を伝える投稿が目に入ったりしますよね。実際、SNSに影響されて気軽にダイエットを始めた結果、痩せることにのめり込むようになり、摂食障害になってしまう中高生もいます。

ネットの友達より先生に相談を

―そういった投稿にとらわれないよう、意識する必要がありますね。一方で、摂食障害の当事者がSNSで情報交換している様子を目にします。

摂食障害の当事者同士でつながり話ができる反面、危険な吐き方や過食をやめられない様子などが目に入ってしまうことがあります。摂食障害を乗り越えた体験談など、ポジティブな意見交換の場として効果を発揮することもありますが、デメリットも山ほどあります。

SNS利用のメリットとデメリットは?

例えば、過食症の人が、独自の吐き方を動画付きでアップしているのを見て、まねをしてしまい、ますます症状が悪化したり、家のトイレが詰まったりなどもよくあるんですよ。やはり、摂食障害を自覚したら、医療機関への相談が必要です。

SNSにハマってしまった場合も、学校の担任や養護の先生に相談するとよいと思います。養護の先生は遠い存在に感じるかもしれませんが、もっと気軽に頼っていいんですよ。

 
作田 亮一さん

さくた・りょういち 1982年 日本大学医学部卒業。専門は小児神経学、小児心身症、神経発達症。現在、獨協医科大学特任教授・埼玉医療センター子どものこころ診療センター長。『10代のための もしかして摂食障害? と思ったときに読む本 「やせたい気持ち」から離れられない』(合同出版)監修