2023年度大学入学共通テストは、「生物」の平均点が前年より大きく下がり、「理科②」の物理とは20点以上の差がつき、得点調整が行われる事態になった。なぜ、受験生は苦戦したのか。

大学入学共通テストの生物の平均点低下についての河合塾の分析

河合塾の分析では、生物では、「難問」といえる特別難しい問題はなかったという。ページ数や小問数も昨年と大きく変わらなかった。一方で、「生物の知識と、データなどをよみとり考察する力」の両方を必要とする問題が増えたという。

典型的なのが、第1問・問4の「系統樹」の出題。昨年の系統樹に関する出題は、生物の知識がなくても解答できる問題があったのに対し、今年は、データの読み取りに加え、生物の正確な知識が必要となった。選択肢も①~⑨までと多く、「選択に迷った受験生もいただろう」と分析する。