私の父の仕事「DX(デジタルトランスフォーメーション)」について紹介します。見慣れない、堅苦しいような言葉ですが、とても身近で流行の先端をいくカッコいい仕事です。(高校生記者・リンゴ=1年)

デジタル化に取り残されない方法は?

―DXとは、いったい何をする仕事なの?

簡単に言うと、世の中のデジタル化が進む際に、誰も取り残さないための方法を考える仕事。具体的に説明すると、デジタル化が進み、今は何でもスマホやパソコンでできる時代になったよね。モノだけ作っても売れづらくなり、モノだけを売る会社は衰退してしまうんだ。そこで「じゃあどうすれば良いのかを考える」のが役目だよ。

仕事中の父の様子

―具体的に何をしてるの?

時代の変化、デジタル化への臨機応変に対応し変われるためのシステムを作り、データを分析して効率的かつ効果的な働き方を考える。自分の会社の利益だけじゃなく「世の中のために」って考えることが大切かな。「こうしたい! じゃあ、そうするためにはどうすれば良い?」って、どんどんどんどん深掘りして考えているよ。

DXは「新しいことの考案」「データ分析」「その2つを支える基盤の作成」に分かれているよ。なかでも3つ目の役割が大きいかな。

―どんな職種の人たちと仕事しているの?

文系の人、理系の人、年齢、性別、国籍本当にバラバラ。多くの人の意見を取り入れるために若い人から年配の人まで。新しい仕事だからこそ、「さまざまな視点から」から考えることが大事で、いろんな人がいるかな。

一日中ずっと誰かと打ち合わせ

―どこで仕事をしてるの?

コロナ禍っていうこともあって自宅かな。コロナ禍の前は会社に行ってたよ。打ち合わせはやっぱり対面の方がやりやすいかもなあ。

たくさん話すときに使うマイク付きイヤホン。付けると頭が痛くなりがち…

―1日の流れを教えて。

1日中ずっと打ち合わせ。毎日たくさん行っているよ。1人で黙々と考えるより、多くの人と話すことで発想が広がるから。例えば、自分1人で考えた意見を皆の前で口にしてみたら、もっともっといい案が浮かんだりとか、ね。アイデアを俯瞰(ふかん)して見ることもできるしね!

便利な社会を作る助けになる

―どんな技術が必要?

特に専門的な技術は必要ないよ。だけど、ブラインドタッチは完璧にできる方がいいかな。パソコンで仕事をしてるから、できなかったり遅かったりしたら、時間がかかって周りに迷惑かけちゃうかも。

いつでも一緒の仕事セット(パソコン、イヤホン、マウス)

―この仕事のやりがいって何?

政治家や社長のような立場じゃないけど、自分がやっていることが会社を変えて、変化した会社が社会を変える。これにより少しでも多くの人が便利な社会を過ごせているなら、それがやりがい!

前向きに世の幸せを考える

―この仕事は将来、どんな風に変わっていくと思う?

将来なくなることはないと思う。なぜならこの仕事は変化に対応しているから。資料の分析などはAIができるかもしれないけど、「考えること」は人間がするべきだと思う。

AIはデータの傾向から新しいことを考えることしかできないけど、人間は「無の状態」から何かを生み出すことができるしね。それぐらい人間しかできないことだから続けていきたいかな。

―仕事をする上で一番大切にしてきたことは?

前向きに考えること! 自分が暗い気持ちでいるとき、世の中の幸せなんて考えられないと思う。だから常に前向きに物事を捉えることを意識してるよ。

【取材後記】考えを実行できる大人になりたい

「デジタル化」に取り残されないようにするDXの仕事の考え方は、身近な生活でも実践できると思いました。例えば地域活性化のためにLINEといったこの時代ならではのシステムを導入することなどです。自分の仕事に誇りを持っている父は、私にとって憧れの存在。父のように、考えを実行に移していける大人になりたいです。