少子高齢化が進み、介護の仕事のニーズはますます増えています。「介護福祉士」としてデイサービスの仕事をする母に、仕事のやりがいや内容をインタビューしました。(高校生記者・こう@=3年)
お年寄りの生活をサポート
―介護福祉士はどんな仕事なの?
主な仕事は、介護が必要なお年寄りに対して、スムーズな日常生活が送れるように食事や入浴、排せつ、歩行などのサポートをすること。私が働いているのは介護施設の中でも「デイサービス」と呼ばれるもので、通所介護施設とも呼ばれるんだ。
―1日のスケジュールと仕事内容は?
まず、私の働いているデイサービスのタイムスケジュールを紹介するね。
- 8:00 職員が利用者さまを順番に車でお迎えしてデイサービスに到着
- 9:30 希望する方の入浴/午前のフリータイム
- 10:30 コーヒータイム
- 11:45 機能訓練運動/看護師による口腔(こうくう)体操
- 12:00 昼食
- 12:30 歯磨き、うがい、トイレ
- 13:00 午後のフリータイム…カラオケ、マージャン、散歩、工作など
- 14:45 リズム体操
- 15:00 おやつ・お茶タイム
- 15:15 職員と利用者さま全員でレクリエーション
- 16:15 デイサービスを出発。利用者さまをご自宅まで送る
見守ることも大切
―入浴とフリータイムはどんなことをするの?
デイサービスにお風呂場があって、希望する方には入浴の介助をするんだよ。体を洗って、お着替えをお手伝いするの。できる方は、身体機能が落ちないように、自分のことは自分でなるべくやってもらうようにする。見守ることもとても大切なんだ。
お風呂を希望しない方はお話をしたり、自動で動く屈伸運動器具を使って足の運動をしたり、塗り絵など、個人の好きなことに合わせて過ごしていただくよ。
―この仕事をする上での技術は何が必要?
まずは介護技術。あとは、体の構造、つまりボディーメカニズムを理解すること。介護度や認知度に応じた対応と、気持ちを察する繊細さも大切。高齢者の疾患も覚えておかないといけないよ。
ぬくもりと楽しさがある時間を提供
―この仕事の大変なところは?
トイレの補助を行うことかな。あとは、認知症の症状によって、感情をストレートにぶつけられることがある。暴言だったり、大声だったりね。一人一人に合わせた対応が必要なんだ。
―この仕事のやりがいを感じる時はいつ?
利用者さまのご家族から「ここに通う前に比べてお話しをするようになったし、体がよく動くようにもなった。笑顔で行ってきますと言う姿を見ることができてうれしい」と言っていただいた時はうれしかったよ。
あとは、季節ごとのお花見やぶどう狩り、クリスマス会のイベントなどで、利用者さまが楽しんでいらっしゃる様子を見た時かな。
―この仕事は、将来どんな風に変わっていくと思う?
AI(人工知能)や機械が介護をするのは可能かもしれないけど、「人生の後半」をぬくもりと楽しさの中で過ごすことは重要なことだと思うんだよね。デイサービスでお話や好きなことをしていただいて、楽しんでもらいたいんだ。だから仕事内容はロボットには難しいんじゃないかな。もっと人手が必要な仕事だと思うよ。
【取材後記】人の生きがいに関わる大事な仕事
インタビューの中で知らなかったことやよく分からなかったことを調べ、介護の仕事への理解が深まりました。これからの高齢化社会で、介護の仕事は絶対に必要な仕事です。だから、少しでも多くの人に介護について詳しく知ってほしいと思います。介護福祉士は、人と人との触れ合いや生きがいに関わる、大切な仕事だと思いました。