欲しいものをスマホで「ポチッ」とすれば商品が自宅に届く「Amazon(アマゾン)」を愛用中の高校生も多いのではないだろうか。8月にAmazon社員が参加して中高生向けに開かれたワークショップが開かれ、参加者は商品を迅速に届けるために導入されているAmazonの最先端テクノロジーを学んだ。(祢屋希=大学1年)

8月9日、Amazon夏のリコチャレ実行委員会は「アマゾンロボティクスと機械学習」と題したワークショップをオンラインで開催した。「リコチャレ」とは「理工チャレンジ」の略。内閣府男女共同参画局が中心となって行われている、女子中高生・女子学生の理工系分野への進路を応援する取り組みだ。

「人の仕事」が「機械の仕事」に

ワークショップのタイトルにある「アマゾンロボティクス(Amazon Robotics)」 とは、Amazonの物流拠点に導入されている最先端テクノロジーのこと。Amazonでは、「機械学習」を使って在庫管理をしている棚「POD」を導入した。

Amazonに導入されているロボット

棚を持ち上げて人が作業するスペースに移動させるロボット「Drive」を組み合わせることで、配送のスピードアップや働き手の年齢を選ばない職場づくりを実現。Driveは約567kgの重さまで持ち上げることが可能で、分速100mで稼働する。

PODで使われている「機械学習(Machine Learning、ML)」とは、データの特徴を学習し、結果からデータの予測や分類をするための法則性を見つけるプログラムのこと。「人工知能(Artificial Intelligence、AI)」や、データを学んで自動で特徴を抽出し、予測や分類を行う「ディープラーニング」などの技術を組み合わせることで、今まで人にしかできなかった仕事が機械でできるようになりつつある。こうした技術は、在庫数のチェックや商品を棚に入れる際の登録にも応用されているという。

Amazonの社員たち

やりたいことに恐れず挑んで

アマゾンロボティクスを導入しているAmazonの物流拠点が「フルフィルメントセンター」だ。商品の入荷・検品・梱包(こんぽう)などを担っている。総務として働く岡野愛生さんは、「まだまだこれからAIや機械学習の分野は進んでいきます。皆さんの将来と同じく可能性は無限大です。自分がやりたい、挑戦したいと思えることがその先にあるのなら、ぜひ恐れず挑んでもらえたらと思います」と話した。

岡野さんの学生時代 カフェバイトで交流関係広げた

―大学などではどんなことを勉強されましたか? そして、学んだことは今の仕事に生きていますか?

経営・経済を学んでいました。簿記などの知識は業務と直結していませんが、社会人の知識として役立っています。

副専攻でパソコンウェブデザインやプログラミングを初級程度に学んでいたので、社内のポータルサイトの管理や運営をする際に生かせています。

―学生時代にやっておいてよかったことはありますか?

カフェのアルバイトをしていたのですが、今まで自分が関わってこなかったような人とも交流ができ、刺激をもらえました。その時の他者の多様性を認めることが今にも生きています。

学生生活だけだと狭い交流関係のみになるので、 JAXA(宇宙航空研究開発機構)のシンポジウムに参加したことがあるのですが、最先端の技術に触れるのは楽しかったです。さまざまなワークショップに参加して自分の知見を広げるのはやっておいてよかったと感じます。