将来の夢がない。でも将来のために何かしてみたい。そう思っている高校生は多いのではないでしょうか。私は今年の夏休みの1週間、自分が卒園した保育園で保育士の仕事を体験しました。現場を見ることで学んだことを紹介します。(高校生記者・すい=2年)

進路で悩み、保育園の仕事体験へ

私は高校2年生ですが、いろいろな分野に興味があって将来の進路が定まらず、受験する大学の学部が決まらず悩んでいます。特に興味のある分野の一つが「教育」。そこで、実際の現場を見てみたいと思い、「保育」分野ではありますが保育園に行ってみることにしたのです。

教育分野に興味が湧いた(写真はイメージ)

保育士になりたいわけではありません。自分がほとんど覚えていない幼児の頃、どんな風に過ごし、学んでいたのかを知りたかったし、幼児期は吸収力が高いので、その成長過程が気になっていたからです。

昔通っていた保育園とはいえ、自分から直接電話して交渉するのには勇気が要りました。しかし、やりたいことを伝えると、とても親身に対応してもらえ、快く許可していただくことができました。

自分から動くしかない!

保育園では、月曜日から土曜日まで、1~5歳児のクラスを順番に回り、子どもたちと遊んだり、お昼寝の寝かしつけをしたり、掃除や片付けをしたりしました。

保育園で着ていた動きやすい服の例

大人の保育士さんの中に高校生として1人で飛び込んだ私が最初に思ったことは、「何をしたらいいのか全くわからない!」ということ。小さい子とどう関わればいいのか、素人の自分には何ができるのか…。それでも周りの保育士さんは皆忙しそうで、自分から動くしかありません。

そこで、子どもたちに笑顔で話しかけ、手が空いたら手伝えることはあるか積極的に聞くように心がけました。

子どもの成長の速さを実感

毎日1歳ずつ年上の子どもたちを見ていると、体の大きさも精神面も確実に成長していくのがわかり、とても興味深かったです。言葉の発達を例にとると、1歳児はほとんど話せないのが、2歳児はいくつかの単語を並べて話すことができ、3歳児になると急に文章で話し出し、会話も成立するようになりました。

着替えや排せつなどの身の回りの世話も、保育園にいる間に自分でできるようになっていくのを見て、幼児期の成長の速さと保育園の役割の大きさを実感しました。

自ら動けば自信につながる

将来の夢や進路が定まらないという状況は変わっていません。ですが、保育関係の「仕事」を実際にしてみて、見えてきたものがあります。1人で行動してやり遂げたという自信にもなりました。

ぼんやりとでも何かに興味がある人や進路が決まらない人は、自分1人でも、思いつきでも、勇気を出して行動を起こしてみると何かが変わるかもれません。