第46回全国高校総合文化祭(とうきょう総文2022)の囲碁部門が8月1・2日、日本棋院東京本院(千代田区)で開催された。女子個人戦では、玉作乙香(きのか)さん(兵庫・姫路西高校2年)が優勝を飾った。(椎木里咲)

持ち時間なし、ピンチ乗り越えて

最終戦となる第6戦は、長野優希さん(埼玉・開智高校2年)と対戦。相手が碁石を置いた瞬間に碁石を置く、スピーディかつ白熱した戦いを展開していた。

優勝した玉作さん

 「時間の使い方」に苦労したと、試合を振り返る。今大会の持ち時間は一人35分。持ち時間を使い切った後は、自分の番が来ると10秒以内に碁石を置かなければいけない。「最後のほうは持ち時間がなくなってしまった」

 短い持ち時間での勝負を制した玉作さん。優勝を決めた後、「まさか自分が、という気持ち。まだ実感が湧いていない」とじわじわと喜びをかみしめているようだった。

勝っても負けてもいろんな人と知り合える

玉作さんが囲碁を始めたのは幼稚園のとき。昨年のわかやま総文2021囲碁部門・女子個人戦で準優勝を飾ったお姉さんの影響だそう。現在は高校で囲碁将棋部に所属。部員の多くは高校から囲碁を始めた初心者のため、経験者の玉作さんはもっぱら「教える側」だ。自身の練習には、オンライン上の囲碁ソフトなどを使うことが多いという。

第6回戦の様子。どこに碁石を置くか、素早い判断力が求められる(写真奥が玉作さん)

囲碁の魅力は「ただ盤上で戦うだけでなく、勝っても負けてもいろいろな人と知り合えること」だと話してくれた。