第46回全国高校総合文化祭(とうきょう総文2022)の囲碁部門が8月1日・2日の2日間、日本棋院東京本院(千代田区)で開催された。都道府県対抗の団体戦(男女混成)は、東京チームが優勝した。(椎木里咲)
互いをカバーしあい優勝
団体戦は3人で1チームを組む。優勝した東京チームは、主将の渕上和克(ふちがみかずなり)さん(錦城高校3年)、副将の丸山通晟(みちあき)さん(早稲田実業学校高等部3年)、黒川理彩(りさ)さん(田園調布雙葉高校2年)の3人。春に行われた総文祭予選を兼ねた大会の上位3人が選ばれた。
3人に優勝した感想を聞くと、口をそろえて「嬉しい」と笑顔を見せた。渕上さんは「まだ実感が湧いていない。あとから嬉しさがこみあげてくると思う」と話す。団体戦は初めてという丸山さんは、「団体戦の大会は新鮮な気持ち。楽しくやってきて優勝することができて嬉しい」と話した。
最後の対戦となった6回戦では、渕上さんと黒川さんが大阪チームに勝利。敗れた丸山さんは「副将だから勝たなければならなかった。チームが負けたらどうしようと思った」と悔しい表情。対して渕上さんは「本番前に3人で囲碁を打って絆を深めた。今回の大会では、普段通りの実力を発揮できたと思う」。互いをカバーしあう、チームワークの良さを感じさせた。
囲碁を本気でやれば「絆が生まれる」
仲の良い3人だが、学校は異なり、今大会までに集まって練習する機会はわずか。普段はオンライン上の囲碁ソフトを使って練習することが多かったという。
渕上さんは「囲碁は対局の勝敗が全て自己責任。実力勝負だからこそ、成長できる」と話す。黒川さんは囲碁の魅力を「何度打っても毎回別の形になる」という。「本気でやりあうと、勝っても負けても絆が生まれる」と話す丸山さんの顔には、晴れ晴れとした表情が浮かんでいた。