服や着こなしに興味のある人が手に取るファッション雑誌。私の母は出版社でファッション誌を作る編集者をしています。どんな仕事をしているのか、どうやって雑誌を作っているかをインタビューしました。(高校生記者・お餅の上のみかん=1年)
カメラマン、スタイリスト…たくさんの職種と共同作業
―どこで仕事をするの?
主に会社。でも打ち合わせでは外出するし、撮影のときはスタジオやロケ場所に出向くよ。
―どのように作っているの?
大きく分けて6つの行程があるよ。
1、企画を考える
どんな特集にするか、などの企画を一人一人持ってきて企画会議をする。
2、担当に分かれる
企画会議の後、編集長から担当の企画、ページ数が割り振られる。
3、構成を決める
編集者は企画に合ったスタッフを集め、どんな方向性でどんな内容にするか、ラフコンテ(ページの設計図のようなもの)を作成する。
4、取材・撮影をする
カメラマン、スタイリスト、ヘアメイク、モデルやタレントとの日程を合わせたり、撮影するロケ場所がある場合は許可をとったり、取材をするよ。撮影後は、写真を皆で選び、編集長にプレゼンしてOKをもらう。この時は、モデルがかわいく写っている、とかではなくて一番企画にあったものを選ぶ。
5、デザイン・原稿書き
撮影してきた写真をもとにデザインをして、原稿を書く。
6、校正チェック・校了
編集者だけでなく、スタイリスト、カメラマンやデザイナーにも色味が大丈夫か、値段の間違いがないかなど、誤字脱字、事実誤認がないかを見てもらい、複数の目でチェックし、ミスを防ぐよ。
最後に編集長がチェックして、OKだったら「校了」して、印刷される。これで1冊が完成するよ。
載せたコーデの読者見つけて「うれしい」
―仕事で大変だったこと、楽しかったことは?
大変だったことはいろいろあるけど、練りに練った企画がボツになるとかはわりとよくあって……。一番は編集長に振り回されたことかな(笑)。昨日はOKだったことが、一夜明けたらNGになってたりとかね。
楽しかった、うれしかったことは、大好きだった漫画家にインタビューできたこと、俳優やアイドルの意外な素顔を垣間見ることができたことだな。
でも何よりも、自分がいいなと思って掲載したコーディネートで歩いている人たちを見かけたときに、「もしかして見てくれたのかな?」なんてうれしくなったりするよ。
毎日を少しでも楽しくできたら
―仕事についてどう思っているの?
うーん。この仕事は誰かの命を救うわけでも、なくては生きてはいけないような職業でもない。
でも、私たちの作ったこの雑誌を見た人が、「これを着たらかわいく、かっこよくなれるかな」というワクワクする気持ちを持ってもらえたら、毎日を少しでも楽しくさせることができたらいいなという気持ちで作っているよ。
【取材後記】周りの人と協力して働けるようになりたい
私は今回母の仕事についてインタビューして、母はとてもかっこいい仕事をしているのだと感じ、「家とはまた違うすてきな母がたくさん見れたな」と思いました。
そして、雑誌というのは、編集者やタレントだけでなくデザイナー、カメラマン、スタイリストが力を合わせて作っているのだな、と気づかされました。雑誌だけでなく、新聞やネットニュース、サービス業……、ほとんどの仕事にも同じことが言えると思いました。
私は将来、どんな職に就くかまだ悩んでいるけれど、どんな職業に就いても周りの人と協力することができるようになりたいと思いました。