2022年度大学入学共通テストは、多くの科目が難化し、国立大の多くが求める5教科7科目型の平均点も急落した。河合塾によると、志望校の出願を断念する受験生が続出する可能性があるが、志望変更が裏目に出るケースもあるという。

河合塾の「共通テストリサーチ」の推計では、文系の7科目型平均点は前年より40点以上下がり、理系の7科目型平均点も50点以上下がった。7科目型の推計を撮り始めた2004年以降で最も低い点数だ。

共通テスト(センター試験)の7科目平均点の推移(上)と、2013年に平均点が低下したときの志望動向(下)(河合塾提供)

2013年にもセンター試験の平均点が前年より大きく下がったが、この時は国公立大の出願を断念する受験生が続出した。都市部では私立大学専願に切り替える受験生が多く、とくに後期日程で顕著だった。「受験生の安全志向が鮮明に」なり、医学部などの難関学部系統から他の学部への変更が目立った。

「狙い目」大学に受験生集中

難関大の志望者は極端に減らなかったが、同じ大学・学部内の中の「狙い目」に見える学部・学科などに受験生が集中した。難関大以外では、共通テストの比重が低い大学や、前年に低倍率だった大学や、難易度が低いとみられる大学に志望者が集中したという。

しかし、安全だと思い志望変更した志望者が集中した結果、安全ではなくなるケースが多くみられた。河合塾は「志望変更は慎重に」と呼び掛けている。

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