みなさんは、将来どのような仕事に就きたいですか? 大学へ進学してから考えようという人も多いのではないでしょうか。私の母は大学生の就職活動をサポートするキャリアカウンセラーです。コロナ禍で苦戦する就活生の実態を教えてもらいました。(高校生記者・せかいのはじまり=1年)
大学生の面接指導や志望動機を添削
―キャリアカウンセラーはどんな仕事なの?
大学のキャリアセンターで、大学生の就職に関するいろいろな相談を受けているよ。
就職活動で企業に提出する「志望動機の添削」や「面接指導」が主な仕事。ときどき就職活動に向けた講座の講師をすることもあるよ。
―この仕事は私が小学生の頃に始めたと思うけど、なぜこの仕事をしようと思ったの?
専門職として長く働ける仕事をしたいと考えていたの。それまで人と関わる仕事をしていたのと、教育にも興味があったから、キャリアコンサルタントの資格を取って大学で働けることになったよ。
自分が何をしたいかわからない
―学生からはどんな相談が多いの?
何となく大学生活を過ごして、就職活動の時期になって、「自分が何をしたいのかわからない」「やりたいことがない」といった相談がよくある。
それから、企業への応募書類を提出するときに、「学生時代に頑張ったこと」を書くことを求められるけれど、「その欄に書くことがない」という相談も多いかな。
コロナ禍で留学や課外活動など以前のようにはできないけれど、制限があるのは皆同じ。そこで何かできることはないか考え、行動している学生は就職活動でも評価されると思う。
知ってる仕事からしか選べない
―コロナウイルスの流行は就職活動にも影響しているんだね。やりたい事がないという学生にはどうアドバイスをするの?
就職を考えるときは、自分の知っている仕事からしか選べないんだよ。だから、世の中のことをもっと知ることから始めて、選択肢を広げていく。
いろんな業界や仕事を理解しながら、自分に適性があるか、興味をもてそうか、考えて見つけていくよ。
―みんな見つけられるの?
就職活動は大学3年生から始まるけれど、時間が限られているから、本人にやる気がないとサポートしてもうまくいかないこともあるのが現実。
日ごろから社会に興味を持って
―就職活動は厳しいんだね。就職活動がうまくいくためにはどうすればいいの?
やりたいことは突然見つかるわけではないから、日ごろから社会に興味をもつことが必要だと思うよ。
大学生になってからではなくて、高校生のうちから外との関わりをもったり、自分の興味関心がどこにあるのか、将来どうなりたいのか、自分と向き合って考えることも大切だね。
就職活動では、高校時代の活動までさかのぼって聞かれることもあるから、いろんなことに挑戦してほしいね。
【取材後記】コロナ禍でも自分にできることを
高校と違って、大学では個人で行動することが多いと思うので、就職活動で悩んだときに相談できるキャリアカウンセラーの存在は大きいと思いました。また、就職活動では、それまでの活動も評価されるとわかったので、コロナ禍でも自分からできることを探して行動していきたいと思いました。
母の話を聞いて、目先の事だけでなくその先の将来を見据えて進路を考える必要があると感じました。