団体戦で大将を務め、個人戦でも力を発揮した山下君(中村博之撮影)

個人戦から勢いに乗る

3月に日本武道館(東京)で行われた全国高校柔道選手権大会で、木更津総合高校は、初出場で達成した前回のベスト16を上回る3位入賞を果たした。選手たちは試合を重ねるごとにたくましさを増し、大きな自信をつかんだ。

前日の個人戦で無差別級の山下魁輝君(3年)が準優勝に輝き、チームのムードは高まっていた。「昨夏のインターハイ(全国高校総体)での1回戦負けが悔しかった。今大会のために大学に出稽古に行ったりして、いつも以上に練習してきました」と山下君は胸を張った。

山場を勝ち抜き、快進撃

5人勝ち抜き戦の団体戦は黒部健太君や長澤大雅君(ともに3年)らの活躍で1、2回戦を快勝。近野貞治監督は「昨年のインターハイ3位の大成高校(愛知)との3回戦が山場だった」と言う。「前回も3回戦の壁にはね返された。大成さんに何とか勝ちたいと思って練習を積んできましたし、そこで勝てれば勢いが出ると考えていました」

強豪を相手に中堅までは互角に渡り合ったものの、副将戦でリードを奪われる。追い詰められた大将の山下君だったが、「試合前に近野監督から『2人、3人相手にするつもりでいなさい』と言われていたので、そこまであせらなかった」と、冷静な試合運びで代表戦に持ち込み、最後は相手のエースを横四方固めでがっちりと抑え込んだ。

4回戦は、近野監督が「気持ちが明るい子。自分の仕事をよく理解して、きつい時に踏ん張ってくれる」と評する大淵泰志郎君(2年)が存在感を発揮。準決勝では、初優勝を飾った東京・日体荏原高校に準決勝で惜敗したが、出場2回目で快進撃を見せた。

総体ではさらに上を目指す

「このメンバーは大舞台の経験がない子ばかり。でも体が大きいので、伸びしろはまだたくさんあります」と近野監督。夏のインターハイも『全員柔道』で初の日本一を目指す。(小野哲史)

快進撃を見せた選手たち(中村博之撮影)
【TEAM DATA】
1955年創部。部員42人(3年生13人、2年生13人、1年生16人)。2015年は三大大会(全国高校柔道選手権、インターハイ、金鷲旗)で全てベスト16。『全員柔道』をモットーにしている。