高校生に人気の高い保育者(幼稚園教諭、保育士の総称)の仕事。子どもと関わる幼稚園教諭と保育士の仕事について、幼稚園教諭、子ども園園長の経験があり、現在は保育者養成校で教鞭をとる鈴木晶子先生に幼稚園教諭・保育士の仕事をさまざまな角度から聞いてみた。

 

――幼稚園教諭・保育士に必要な免許や資格はありますか?

まず、幼稚園教諭になるには幼稚園教諭免許が必要です。高校生が目指すのであれば、養成コースのある大学、短大、専門学校で所定の過程を修了することで、卒業と同時に免許が取得できます。

3種類の免許状があり、大学で取得できるのが一種免許状、短大・専門学校で取得できるのが二種免許状、大学院で取得できるのが専修免許状です。

一方、保育士は保育士資格が必要でこれは国家資格です。厚生労働省指定の保育士養成校に通えば卒業と同時に保育士資格が得られますが、指定の保育士養成校でない大学・短大・専門学校の場合や、中卒・高卒の場合は条件をクリアすることで受験資格を得て保育士資格を得ることもできます。

最近は、幼保一元化による認定こども園や、幼稚園の預かり保育などの需要が増えてきていることもあり、幼稚園教諭免許状と保育士資格の両方が取得できる学校を目指す高校生も増えています。

 
 

 

――大学、短大、専門学校の違いは?

学べる年数とカリキュラムに違いがあります。まず大学は、4年間かけて一般教養から乳幼児の発達、保育の実技まで、ゆっくり、じっくり学ぶことができます。

一方、短大と専門学校は2年制と3年制があり、2年制は実技が中心となります。ただ最近の専門学校は3年制も増えていて、3年間あると実際に園でアルバイトをしたりしながら学ぶ余裕があります。専門学校は、実際に現場で働いていた実務家教員が多いのも特徴です。

――幼稚園教諭と保育士のどちらがいいか迷っています

幼稚園教諭と保育士のどちらかまだ迷いがある場合は、幼稚園教諭免許状と保育士資格の両方が取得できる学校に進学することをおすすめします。

学校によっては、ボランティアやインターンシップ、実習などが充実していますので、それらを利用し、さまざまな園・施設を見学し、自分にとって働きやすい場所を見つけていってほしいと思います。

 

鈴木晶子 すずき・あきこ 幼稚園教諭、子ども園園長を経て、現在は保育者養成校の短大・専門学校で教鞭をとる。現場での経験から、保育者のストレスケアの研究も行い、保育者を対象としたヨガ教室「Yoga Laboratory ~ 先生達のセルフケア研究会 ~」の立ち上げも行う。保育園・保育士支援雑誌「MiRAKUU(ミラクウ)」のWEBでコラムの連載を担当。

 

★「MiRAKUU」とは

「MiRAKUU」とは、未来+保育+LIKE(好き)を表す言葉で、保育の仕事が大好きな人財を増やし、保育の未来をより良い環境にしていくことを目的とした、保育園・保育士支援雑誌。首都圏にある保育園・幼稚園・保育科のある大学で配付。

・保育士・学生向けサイト:MiRAKUU

・園の施設長向けサイト:MiRAKUUぷれみあむ