LGBTQの当事者は5~8%いると言われています。LINE公式アカウント「高校生新聞編集部」に寄せられた、当事者である読者の高校生の声を紹介します。学校生活や家庭内での生きづらさを軸に、いま感じていることを語ってもらいました。

私は、男女いずれかに限定しない立場をとる「Xジェンダー」です。自分自身を男女どちらだとも思っていません。

そして、恋愛・性愛の対象はあらゆる人々が恋愛対象の「パンロマンティック」、両想いを望まない「リスロマンティック」です。男女逆の服を着ることを好む「クロスドレッサー」でもあります。

私が当事者として、学校や社会、家庭内での生きづらさや、夢についてお話しします。

LGBTQ当事者として感じていることは……(写真はイメージ)

「〇〇さん」と呼ばれるのが嫌

学校では、意味なく男女で分けられているような気がします。

私は戸籍上は女。なので、先生から名前を呼ばれるときは、「(名字)さん」と言われます。男子は「(名字)君」と呼ばれていて、私はいつも気分が下がります。委員会では男女1名ずつなどの規定があり、女子として参加したくないです。

私は茶道部に所属しています。部活のメンバーは女子ばかりです。部活では、お稽古の内容も男女で分かれているほか、女性として振る舞うことを強要されます。

文化祭でお茶席をするときも浴衣を着なければなりません。それは嫌なので、来年部活を辞めようと思っています。

制服は男女問わず組み合わせ自由な学校に入学したので、いつもズボンとネクタイで通学しています。少数派ですが、誰も悪口を言わないのでとても居心地がよく、それだけはうれしいです。でも、まだ学校の友達にはカムアウトしていません。

模試、コンクール応募…なぜ性別記入が必要?

男女分けで困るのは、学校だけではありません。いちばんの例が模試です。

模試の受検カードには、必ずと言っていいほど性別記入欄があり、そこには男女の2つしかないです。任意記入や、「その他」などの選択肢があるのを見たことがありません。

作文コンクールなどの応募用紙の性別記入欄もそうです。私は好きでよく応募していますが、ほとんど性別記入欄がありました。何のために性別を知りたいのかわからないし、LGBTQ当事者たちがいないものと捉えられているのに怒りを感じます。

性別記入欄にも疑問を感じる(写真はイメージ)

「女らしくしなさい」母は認めてくれない

家では、意を決して親にカムアウトしてみました。

父には、「別にいいんじゃない? 家に彼女を連れて来ても怒らない」と認めてくれました。しかし、母は認めてくれませんでした。何度も詳しく説明したのに、「それって二重人格?」「そっちに寄せてる」と言われ、否定されました。

外で「女らしくしなさい」と怒られるのは言うまでもなく、家の中でも言われるので困っています。今年に入ってからさらに多くなったので、聞かないことにしました。

男女どちらでもいける名前に変えたい

こんな私にも、大人になったらやりたい夢や、少しでも理想の自分に近づくために熱中していることがあります。

いちばんの夢は、改名です。今の名前は女子の名前なので、男女どちらでもいけるような名前に変えたいと思っています。そして、全国の小中学校、高校を回り、Xジェンダーについての講演会などを開き、存在を伝えて広めたいと思います。

そして、今熱中していることは、声を低くすることです。毎日腹筋や肺活量のトレーニングをしています。今では歌声で男性のような低い声を出せるようになり、とてもうれしいです。話し声も自力で低くしたいと思っています。(高校2年女子・ミセス世界観)

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